2016 Fiscal Year Research-status Report
耳内嚥下音および頸部光ファイバーセンサによる非侵襲嚥下解析システムの有用性の検討
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26462618
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
土師 知行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20145147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田地 成幸 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (40339768)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下運動 / 耳内嚥下音 / 耳管開大 / 光ファイバー / 非侵襲検査 / 頸部嚥下音 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は耳内嚥下音および頸部光ファイバーセンサ(以下F-SASセンサ)による非侵襲嚥下解析システムの開発とその有用性の 検討を目的としている.方法としては耳内嚥下音単独あるいは従来からの頸部嚥下音との同時記録による嚥下音によるシステムおよび 耳内嚥下音とF-SASセンサによる嚥下時の喉頭運動を同時記録するシステムの2つについて嚥下機能評価における有用性を検討してい る. F-SASセンサによる嚥下検知装置は,研究分担者である三田地と共同で改良を加えている.平成28年度にはH27 年度に行ったファイバーの配置と固定法をさらに工夫することによって,嚥下の際の喉頭挙上運動を検知する感度が増した.実用化のために機器の小型化に向けて改良を加えた. 耳内嚥下音については,対象例が増えるに従って咽頭期嚥下開始時に記録されるクリック音が嚥下時の耳管開大に関連すること が確実になってきた.そのクリック音を嚥下の指標として用いれば反復唾液嚥下の嚥下間隔時間を正確に測定できるため,耳内嚥下音による 嚥下機能検査としての有用性を検討した.H27年度には,加齢により嚥下間隔が有意に延長することを学会で発表した.H28 年度はさらに症例を増やし,従来の嚥下スクリーニング検査よりも 嚥下機能の低下を鋭敏に反映することを論文に発表した.また,耳内嚥下音を指標とした嚥下の時間的解析の信頼性が極めて高いことを学会発表した.さらに耳内嚥下音と頸部嚥下音との同時記録の有用性について国際学会で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
耳内嚥下音による嚥下機能評価では,当初予想していなかった方面での活用(嚥下造影検査との同時記録など)も考えられ,当初の予想を超えた広がりが見えてきた.しかし実際の嚥下障害例での評価については,確定的な結論を出すにはさらに症例を増やす必要があることがわかった.F-SASセンサについては様々な体型の被検者から嚥下時の喉頭挙上を十分検知することが出来たが,実用化に向けて,装置の小型化やデータの保存解析の面でさらに改良が必要なことがわかった.
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Strategy for Future Research Activity |
耳内嚥下音に関しては,嚥下障害例でのデータ収集,解析や嚥下造影検査との同時記録の有用性など,H29年度に研究を延長して取り組む予定である.F-SASセンサについては,実用化に向けて装置の小型化やデータの保存解析の面で研究を1年延長して,さらに改良に取り組む予定である.特許の申請ということもあり,学会や論文での発表は控えていたが,今後は積極的に学会や論文での発表を行う.
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Causes of Carryover |
嚥下音解析に必要なコンピュータやマイクロホンの一部を他の財源から支出できたことによる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
嚥下障害症例でのデータ収集の必要な旅費,謝金,物品の購入,研究打ち合わせおよび学会参加の旅費,研究成果の論文投稿のための経費に使用する予定である.
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