2015 Fiscal Year Research-status Report
高度視野狭窄患者の視野障害が自動車運転能力に与える危険性の評価と運転支援
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26462630
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
国松 志保 東北大学, 大学病院, 助教 (80301563)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドライビングシミュレータ / 高度視野狭窄 / 自動車運転 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に施行した高度視野狭窄をきたす緑内障患者と網膜色素変性(以下RP)患者を対象としたドライビングシミュレータ(HONDAセイフティーナビ、以下DS)実験のうち、視野良好眼のハンフリー視野中心24-2プログラム(HFA24-2)MD値をマッチングさせた緑内障12名、網膜色素変性症(RP)12名の、モバイル型眼球運動計測装置(アイマークレコーダEMR-9)での計測結果の解析を行った。ドライビングシミュレーターは、一般乗用車のフロントガラスからの眺めをプロジェクターで投射したもので、速度一定で、ハンドル操作はなく、側方からの車の飛び出しなど全16場面での事故数を記録できる。EMR-9にて、2度以内に0.1秒以上とどまっているものを停留点と定義し、平均停留時間を求めた。RPは、緑内障患者より若年であり(RP:49.0±15.5才、緑内障:65.8±11.5才、P=0.006)、視野良好眼のMD値、視力に有意差はないものの(P=0.13, 0.07)、エスターマンスコアはRPが有意に低く(RP:25.8±22.0、緑内障:68.7±21.0、P=0.0001)、RPの総事故件数が有意に多かった(RP:3.7±1.6件、緑内障:1.5±1.7件、P=0.0045)。平均停留時間は、RP:0.35±0.06分、緑内障:0.33±0.12分であった。エスターマンスコアは自動車事故と関連し、周辺視野の有無が自動車運転能力に影響していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車運転に必要な視野感度基準を明らかにするためには、眼球運動計測装置と同期したDSの開発が課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
眼球運動計測装置と同期したDSを開発し、旅客輸送機関分担率調査(国土交通省)の結果、自動車による輸送が90%を超える宮城県、新潟県を、地方都市のサンプルとして選択し、さらに多数例での詳細な視線追跡の検討を行い、自動車運転に必要な視野感度基準を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
各種眼球運動計測装置を用いて、より精度の高い眼球運動計測装置と同期したDSを開発中である。現在、据え置き型での眼球運動計測装置にあたっての設置条件を検討中である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より精度の高い眼球運動計測装置と同期したDSを開発中である。設置条件が定まり次第、研究を実施していく方針である。
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Research Products
(3 results)