2015 Fiscal Year Research-status Report
網膜疾患では網脈絡膜循の変化はいつ,どのようにして起こるか?
Project/Area Number |
26462635
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩瀬 剛 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80642339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 眼循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,網脈絡膜循環の自己調節機能を画像により明確に可視化すること,網膜疾患における自己調節機能の異常も含め網脈絡膜循環の変化との関連を調べることを目的として研究を進めてきた.レーザースペックルフルオログラフィーと補償光学眼底撮影装置から得られた画像を合成することにより網膜血管内の赤血球の動態を調べることに成功した.動脈においては速い赤血球の流れが血管内壁を損傷することを防ぐために血管内壁周囲には血漿成分が存在し赤血球が血管内壁に当たらないようになっていること,静脈では赤血球の動きが遅いことから血管内に一様に赤血球が分布していることを見出し論文にまとめた(Medicine, 2015).女性においては視神経乳頭部における血流流速が男性に比べて有意に速いことを見出し論文にまとめた(Invest Ophthalmol Vis Sci, 2015).その違いの原因を約400眼の血液成分や全身状態を調べることで検討したところ,女性における低いヘモグロビン量やヘマトクリット値が関与していることを統計学的に見出し報告した(2015年日本眼循環学会).正常眼における脈絡膜血流は脈絡膜厚と相関することを初めて報告した(2015年レーザースペックル研究会).また,種々の条件下において眼循環動態がどのように変化するかを調べデータを蓄積することができ,網膜剥離,網膜静脈閉塞症などの網膜硝子体疾患においても眼循環動態の変化のデータを蓄積することができた.これらの結果は順次,学会で報告し,論文として投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザースペックルフルオログラフィーと補償光学眼底撮影装置から得られた画像を合成することにより網膜血管内の赤血球の動態を調べることに成功し,動脈と静脈では血流状態が異なることを論文にまとめた(Medicine, 2015).男女間では視神経乳頭部において血流流速に違いがあることを発見し,論文にまとめた(Invest Ophthalmol Vis Sci, 2015).正常眼における脈絡膜血流は脈絡膜厚と相関することを初めて報告した(2015年日本眼循環学会).また,種々の条件下において眼循環動態がどのように変化するかを調べデータを蓄積することができ,網膜剥離,網膜静脈閉塞症などの網膜硝子体疾患においても眼循環動態の変化のデータを蓄積することができ,当初の目標を達成できているものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
正常人眼において蓄積したデータおよび網膜剥離,網膜静脈閉塞症などの疾患において蓄積した眼循環動態の変化のデータをまとめ報告し論文としてまとめる.さらに多岐にわたる網膜疾患においてデータを蓄積していく.またレーザースペックルフルオログラフィーで得られる値は相対値であるので,補償光学眼底撮影装置から得られる血管系の正確な計測と合わせて絶対血流量を算出できるようにする.
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Causes of Carryover |
本年度には予定していた物品の購入の必要性がなくなった事などにより,少額ではあるが,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は,予定している物品の購入や論文投稿で,予算計上している金額を全て使用する予定である.
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Research Products
(8 results)