2014 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害を及ぼす眼科疾患の危険因子および予防因子の解明:久山町研究
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26462640
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安田 美穂(宮崎美穂) 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00336033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 達朗 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30150428)
清原 裕 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80161602)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疫学研究 / 久山町研究 / 加齢黄斑変性 / 近視性黄斑変性 / インシュリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の計画では、これまでの17年間におよぶ九州大学久山町研究での眼科健診データを個々の内科健診データおよび食事や運動習慣などの生活習慣データと合わせてデータベース化し解析できるようにするのが目標であったが、当初の予定どおり、得られたデータはすべて安全に保存され解析できるための専用コンピュータをおき、得られた情報はデータベース化してコンピュータに保存し高度なセキュリティー管理下におき、解析可能な状態とした。さらに眼科の失明につながる重要ないくつかの疾患について、危険因子、防御因子の解析をおこなった。具体的には加齢黄斑変性を病型別に危険因子を解析し、滲出型の加齢黄斑変性、ポリープ状脈絡膜血管症はともに喫煙、加齢が危険因子であることがわかった。また、近視性黄斑変性についても病型別の頻度と危険因子を解析し、眼軸長、屈折値が近視性黄斑変性発症の重要な危険因子であることを解明した。また血圧値の上昇、血糖値の上昇、喫煙習慣はそれぞれ網膜厚の菲薄化に関連しており、眼底疾患発症に影響与えることも解明した。さらには、眼圧上昇がインシュリン抵抗性と有意な正の関連があることを明らかとし、さらにはその関連が非糖尿病群、糖尿病群ともにみられることも明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成26年度までにデータベースを構築し失明につながるいくつかの眼底疾患について危険因子、防御因子の解析を行う予定であり、当初の予定どおり、加齢黄斑変性、近視性黄斑変性などの眼底疾患について危険因子、防御因子を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もさらに多くの眼疾患と全身疾患および環境要因との関係を多次元的に解析し、リスクレベルに応じて疾患を予防するための基本原理を見いだす予定である。 くわえて疾患と生活習慣および環境要因だけでなく遺伝的因子との関係も多次元的に解析し、とりわけリスクレベルの高い危険因子を選択することで予防効果が着実な予防対策を立案する。 また、設定したコホート集団に対する追跡調査を引き続き行う。データの精度を上げるため、高い追跡率を目指して質の高い臨床データを蓄積し、さらなるデータベースを構築する。
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Causes of Carryover |
継続している研究課題であり、次年度も引き継き眼科健診を行い、その結果を研究に反映させて検討していく必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
眼科健診の際に必要な人件費、物品費などに主に使用する予定。
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Research Products
(3 results)