2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462649
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中靜 裕之 日本大学, 医学部, 助教 (10372997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 京子 日本大学, 医学部, 助教 (30297824)
島田 宏之 日本大学, 医学部, 教授 (40162680)
山本 篤志 日本大学, 医学部, 助教 (00738213)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大視症 / 変視症 / 黄斑上膜 / 硝子体手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄斑上膜は黄斑部に生じた線維性膜組織により視力低下や変視症(線が歪んで見える)、大視症(物が患眼で大きく見える)を生じる疾患である。失明に至る疾患ではなく視力低下の程度も様々である。硝子体手術により視力向上は80%以上の症例で得られる。また、術前視力が良い方が術後視力も良いことは報告されている。変視症については術後に軽減することが多いが、完全に消失することは稀である。我々は手術の安全性が高いことから、インフォームドコンセントを得て手術適応の拡大を行った。そして、日本大学倫理委員会承認のもと術前視力0.9以上の視力良好群と術前視力0.4~0.8の視力通常群おける黄斑上膜手術の後ろ向き研究をまずは行った。 その結果、両群とも視力は平均視力1.0以上に良好に回復した。視力通常群と比較し、視力良好群では術後視力改善が速やか、かつ有意に良好であった。また、変視症(横)も有意に視力良好群では改善した(通常群術前1.04°⇒術後6か月0.9°、良好群術前0.84°⇒術後6か月0.38°)(第53回日本網膜硝子体学会で報告;2014年11月)。 しかし、大視症については、視力良好群においても改善されなかった(術前4.1%⇒術後5.1%;有意差なし)。通常群において、大視症はむしろ悪化していた(術前8.2⇒術後11.1%有意に悪化)。このことは、術後に視力向上を得ても患者満足度が低い症例がある原因と考えられる。今後は大視症を中心とした前向き検討を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2014年10月に新病院移転があり研究業務時間の減少があった。また、移転から軌道に乗るまで患者数の減少、手術患者の減少があり手術件数は減少していた。さらに、日本大学医学部倫理委員より研究方法の再考を指摘されており、現在再度研究方法について検討中である。新たに研究計画書を作製し、来月の倫理委員会に再提出予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
実現可能な研究方法を再考して倫理委員会の承認を早急にとる。当科では27ゲージ硝子体手術が2015年4月から開始となり、さらに低侵襲な硝子体手術が可能となった。視力の良好な黄斑上膜に対する早期硝子体手術を行うには適した環境が整った。今後は患者の増加に伴い黄斑上膜手術の増加が期待でき、軌道に乗れば研究はスムースに進んで行くことが期待される。
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Causes of Carryover |
研究の遅れにより病理検査などは行われていないため、試薬などの使用が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
病理検査のための試薬などに使用する予定である。
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Research Products
(10 results)