2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of effectiveness of early vitrectomy and onset mechanism of epiretinal membrane
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26462649
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中靜 裕之 日本大学, 医学部, 准教授 (10372997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 京子 日本大学, 医学部, 助教 (30297824)
島田 宏之 日本大学, 医学部, 教授 (40162680)
山本 篤志 日本大学, 医学部, 助教 (00738213)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 黄斑上膜 / 変視症 / 不等像視 / 大視症 / 中心窩網膜厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
視力0.9以上の早期黄斑上膜症例に対する早期硝子体手術の有用性を視力0.3-0.8の黄斑上膜症例と臨床所見、病理学的所見において比較検討した。 結果:術後6か月において両群とも術前と比べ術後3か月、6か月とも有意に視力は改善した。術後6か月視力においても視力良好群は有意に良好な視力を示した(視力良好群;logMAR -0.133、視力通常群;logMAR -0.060)。変視(ゆがみ)おいて、縦の変視は術後6か月で視力良好群は有意に改善、通常群は改善したが有意差はなかった。両群間にいずれの観察時も有意差はなかった。横の変視については両群とも術後3か月、6か月と有意に変視は改善した。両群間に有意差はなかった。不等像視(物の大きさが左右違って見える)において、不等像視縦および横ともに術後6か月で視力良好群では不変であったが、視力通常群では有意に大視症が悪化した。立体視において、視力良好群では術後6か月で改善はなかったが視力通常群では有意に改善した。中心窩網膜厚は術前と比べ術後6か月で視力良好群では388から339マイクロmへ、視力通常群では486~381マイクロmへ有意に減少した。また中心窩陥凹のある症例についても両群とも術後6か月で有意にその割合は増加したが、両群間に有意差はなかった。視力良好群で施行した視覚機能に関するアンケート調査では一般的健康感、一般的見え方、目の痛み、心の健康が有意に改善していた。病理学的検討ではTGF-β、α-SMA、GFAPが陽性となったが、PDGF,VEGFは陰性であり、両群に明らかな差はなかった。 考按:視力良好な黄斑上膜症例に対する早期硝子体手術は視力維持・改善、変視症の改善においては有用であった。しかし、大視症は残存した。視機能アンケートでも見え方、心の健康も向上しており早期手術は有用と考えた。今後は大視症の改善が課題となると考える。
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