2014 Fiscal Year Research-status Report
網膜色素上皮下の脈絡膜新生血管が治療抵抗性を示す原因の解明
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26462651
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
尾辻 剛 関西医科大学, 医学部, 講師 (90343673)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / ポリープ状脈絡膜血管症 / 中心性漿液性脈絡網膜症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスの硝子体内に抗VEGF薬などの薬液を注入した後、薬剤の効果を病理学的に評価する実験系であるが、我々が研究で使用する予定のマウスは非常に高価であるため、失敗することなく薬剤を確実にできるように硝子体内注射の手技や、その病理学的評価法を確立するための予備実験を行った。 平行して、関西医科大学附属滝井病院眼科を受診した加齢黄斑変性患者のうちフルオレセイン蛍光眼底造影にて late-phase leakage of undetermined source (LLUS) の所見が得られた症例を対象とする臨床研究を行っている。これらの患者に説明の上、同意を得られた患者にOCTを施行し、脈絡膜の所見を検討した。脈絡膜厚は比較的厚い群と薄い群の二峰性を示すと予想されたが、現時点では明らかな二峰性を示してはいない。またOCTでの脈絡膜所見から、真のLLUSとポリープ状病巣が退縮したためLLUS 様の所見を持つポリープ状脈絡膜血管症(PCV)は鑑別できる可能性を検討しているが、現在のところ明確に鑑別するまでには至っていない。これは症例数が未だ少ないためか、我々の推測が誤っていたのかは今年度の結果からは推定できない。これらの症例に対して光線力学的療法や抗VEGF療法、あるいは両者の併用療法といった従来の治療を行っているが、現在のところ臨床研究でも症例数が少なく、解析までには至っていない。 また近年PCVとの関連性が強く示唆されている中心性漿液性脈絡網膜症で、患者の同意のもと抗VEGF療法を行ったが、この脈絡膜厚は二峰性を示し、薬剤の効果も明瞭に差があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より症例が集まらない。 実験手技が予想以上に技術を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
他大学の研究者とも意見交換するなかで、研究の方向性は概ね間違っていないと思われるので、予定に従い粛々と進めていく。また臨床研究では予定外の成果も得られ、必ずしも遅れているとは言えない。
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Causes of Carryover |
今年度に予定していた研究に若干の遅れが生じたため、消耗品の購入が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬や実験動物の購入に使用する予定である。 また臨床研究での成果を発展させ、学会発表や論文作成を行う予定である。
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Research Products
(1 results)