2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of oxidative stress in deep part of the glaucomatous eyes in mice by in vivo imaging using two photon excitation microscope
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26462660
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 審一 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (20546882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 賢治 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40437405)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2光子顕微鏡 / 緑内障 / 視神経 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
視神経が障害される代表疾患である緑内障は、我が国の失明原因の1位である。網膜神経節細胞の軸索障害とそれに伴う細胞死が病態と考えられているが、未だ詳細なメカニズムは解明されていない。現在の主たる治療は眼圧下降であるが、我が国では低眼圧で進行する正常眼圧緑内障が大部分を占めており、割合も世界で最も多い。病態解明と新規の治療が急務である中、これまでに細胞死の過程で生じる活性酸素種(Reactive Oxygen Species :ROS)が病態に関わっていることが報告されている。我々は、過去の知見をもとに、視神経において抗酸化に重要な役割を担っているであると推測されるアストロサイトに注目し、2光子励起顕微鏡を用いた眼球深部組織の分子生体観察という新たな手法を用いて、緑内障性神経症における酸化ストレス発生メカニズムの更なる解明と新規神経保護治療法の確立を目的とした。まず、全身麻酔下でマウスの眼球深部生体観察を行うための専用固定台を試行錯誤の上、作成した。また、眼球深部観察のために視神経を露出させる手法を検討した。さらに、尾静脈の点滴ルートを確保し、目的の薬物を常時全身投与可能とした。この系を用いて標的組織を生体観察を行うために必要な薬物の投与量および時間経過などを野生型マウスで検討した。一方で、眼球深部アストロサイトの生体観察を行うためにアストロサイト標識蛍光マウスを導入した。当初の予定より、実験系の確立に多大な時間を要したため酸化ストレスの研究まで到達することが困難であったが、これまでの経験をもとに今後更なる眼球深部生体観察系の確立に取り組み、緑内障の新たな病態の解明および新規治療の開発に繋げていきたい。
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