2014 Fiscal Year Research-status Report
房水流出路の4次元イメージングと緑内障病態における動的変化に関する研究
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26462664
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井上 俊洋 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00317025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷原 秀信 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (60217148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 線維柱帯 / 房水流出路 / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
2光子顕微鏡撮影の、組織毒性が弱く深達度が高いという特性を生かし、さらにSHGによるコラーゲン線維の可視化を組み合わせて4次元イメージングを行った。ラットの摘出眼の前房にマイクロニードルを刺入し、緑色の蛍光色素を定圧で灌流した。角膜および結膜上皮はHoechstによって核染色をおこなった。これを2光子顕微鏡にセットし角膜輪部付近の撮影を行ったところ、緑色に染まる前房とシュレム管と思われる部位を確認することが出来た。また強膜のコラーゲン線維も観察可能であった。しかしながら蛍光のみを映し出すモニターの断面図からシュレム管と思われる部位を同定することは困難で、得られた画像も詳細な解析が可能なレベルには至っていなかった。蛍光試薬濃度、励起光の強さ、対物レンズの種類等の調節によってノイズ/シグナル比のより低い条件を検討したが、現在までのところ、改善にいたっていない。一方で、線維柱帯細胞の機能を視覚化するため、2つの実験系を立ち上げた。一つは線維柱帯細胞にGFPラベルしたアクチンを導入し、タイムラプス顕微鏡を用いてライブイメージングをこころみた。その結果、細胞運動と連動したアクチンを生細胞で観察することに成功した。また、線維柱帯細胞の貪食能を評価するために、蛍光ビーズを培地に加え、貪食されたビーズをオートカウンターで定量することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2光子顕微鏡を用いたイメージングはやや遅れている一方で、線維柱帯細胞の機能を評価する面では当初予定を超えて発展している。これにより、全体としては、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
線維柱帯細胞にGFPラベルしたアクチンを導入し、タイムラプス顕微鏡を用いてライブイメージング技術を用いて、近年臨床応用されたRhoキナーゼ阻害剤の効果を確認する。Rhoキナーゼ阻害剤はアクチンを脱重合かさせ、眼圧を下降させることが分かっているが、ライブイメージングで細胞動態を検討した報告はない。また、同手法を用いて、ステロイド緑内障の原因薬剤の一つであるデキサメサゾンがアクチン細胞骨格に与える影響と、これに伴う機能変化を検討する。これまでの報告で、デキサメサゾン処理にによってアクチンにcross-linked actin networkを呼ばれる構造変化が生じることが分かっている。この変化が細胞遊走に与える影響を検討する。また、線維柱帯細胞の貪食能を評価するために、蛍光ビーズとオートカウンターを用いた評価系を確立したが、ライブイメージングと組み合わせることで、アクチン細胞骨格の変化と貪食能をリアルタイムで観察し、薬剤等の影響を評価することをこころみる。
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[Presentation] 濾過胞内部の変化2014
Author(s)
第68回日本臨床眼科学会
Organizer
第68回日本臨床眼科学会
Place of Presentation
神奈川
Year and Date
2014-11-13 – 2014-11-16
Invited
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