2017 Fiscal Year Annual Research Report
Signal transduction of goblet cells differentiation and clinical application
Project/Area Number |
26462681
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山上 聡 日本大学, 医学部, 教授 (10220245)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 杯細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、扁平上皮系細胞の幹細胞採取法を用いてヒト結膜上皮細胞から採取したsingle cell由来の細胞から増殖因子のコントロールで目的とする細胞を作り出す方法を開発した。しかもウシ血清を用いないことから多くの未知因子の影響を排除し、single cell由来で細胞分化を完全にコントロールしている。したがって分泌型ムチン産生を促す新しい治療法を開発するためには、細胞内/細胞外のシグナル伝達経路を明らかにする必要がある。また将来の治療に結びつけるために更に詳細なシグナル伝達機構を明らかにする必要があった。 そこでp42/p44 MAPK (ERK1/2), JNK, p38MAPKなどMAPKファミリーの細胞内外のシグナル伝達機構を明らかにすることを目的とした検討を行った。結果としてERK1/2がシグナル伝達に関与していることは、ウエスタンブロッテイング、リン酸化の過程を明らかにする免疫染色、インヒビターを用いたブロッキング実験などから明らかになった。しかしその抑制機構は完全でなく、不完全であることから別の経路の関与も示唆された。更にインヒビターを用いた検討をおこなったところERK5とERK1/2の両方をブロックすることでシグナル伝達経路をほぼ完全にブロックすることができた。以上からERK5とERK1/2の両方両方の経路を用いて分泌型ムチンの分化が起こっている可能性が考えられた。今後はin vivoでこれまに明らかになった機構が働いているかの検討を行う必要がある。
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