2014 Fiscal Year Research-status Report
網膜再生にかかわる傷害組織再構築を制御する細胞間相互作用に関する研究
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26462693
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 美紀子 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (10284770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 俊洋 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00317025)
高橋 枝里 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (60622602)
伊藤 康裕 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70380996)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / 眼科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治網膜疾患に対する網膜再生治療のより有効かつ安全な移植技術の開発のため、組織構築時の神経・グリアー血管相互作用に着目して、疾患モデル、病的網膜における網膜組織幹細胞の維持、機能発言に影響を与える細胞間相互作用とその分子メカニズムを解析し、それらの制御機構を解明する。 (1)網膜傷害モデルにおける増殖に関わる細胞の同定・機能解析:成体ラットにグルタミン酸受容体阻害剤NメチルDアスパラギン酸(NMDA)硝子体内投与による網膜神経傷害モデル、視神経クラッシュ(ONC)傷害モデルを作成し傷害後網膜内における細胞増殖と細胞の同定を行なった。NMDA傷害モデルでは網膜神経節細胞、内顆粒層で毛様体由来神経栄養因子(CNTF)の発現上昇をみた。ONC傷害モデルでは傷害後網膜内神経節細胞層に細胞増加を認めミクログリアのサブタイプが同定された。 (2)虹彩上皮細胞、色素上皮細胞の増殖、形質転換に関わる細胞内シグナルの解明:ブタ摘出眼球より虹彩上皮細胞を単離培養し、血管内皮増殖因子(VEGF) 添加による増殖因子、炎症性サイトカインの発現を調べた。 (3)網膜血管性疾患における機能的タンパク質の同定:血管新生緑内障房水中のVEGF、炎症性サイトカイン濃度を測定した。血管新生緑内障では炎症性サイトカイン、血小板由来増殖因子、血管内皮増殖因子(VEGF)の発現上昇が認められた。抗VEGF抗体硝子体内投与によりVEGFの産生のみ抑制が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疾患サンプルによる解析は概ね計画通り進行している。傷害モデルに関してはONCモデルにおいてミクログリアのサブタイプ解析を予定している。In vitroでの実験が組織由来網膜幹細胞の増殖能が低く共培養の実験まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患モデルでは遺伝子変異マウスでの解析を準備している。。In vitroの実験に関してはこれまで網膜幹細胞の機能が報告されている虹彩上皮細胞、網膜色素上皮細胞を用いて培養の条件設定を行なう予定である。
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Research Products
(7 results)