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2014 Fiscal Year Research-status Report

緑内障視神経変性における神経分泌タンパク質VGFの保護機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26462694
Research InstitutionGifu Pharmaceutical University

Principal Investigator

嶋澤 雅光  岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (80381721)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原 英彰  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords緑内障 / 網膜神経節細胞 / 小胞体ストレス
Outline of Annual Research Achievements

緑内障に代表される網膜疾患において、その網膜神経節細胞死の機序については十分に解明されていない。申請者らは網膜神経節細胞死に小胞体ストレス負荷を介した機序が関与しているという仮説に基づき研究を進め、その網膜障害時に小胞体ストレスが誘導されることを初めて明らかにした。さらに、小胞体ストレス細胞死を抑制する遺伝子の解析から、強力な細胞保護作用を有する神経分泌タンパク質であるVGF nerve growth factor inducible (VGF)を見出した。本研究ではこれらの研究を更に発展させ、①緑内障におけるVGF の関与並びにその細胞保護機構を解明、②VGF の新規治療ターゲットとしての可能性を明らかにすることを目的とする。本年度は、サルの実験的緑内障眼を用いて網膜および視神経におけるVGFの発現を免疫組織染色法により検討した。正常網膜の内網状層、外網状層および神経線維層、さらに視神経乳頭篩状板前部にかけて広く発現していることが確認できた。この発現分布は正常マウス網膜の発現分布とほぼ同じであった。それに対して、実験的緑内障モデルザルでは網膜における発現分布に明らかな違いは認められなかったが、網膜神経線維層の視神経乳頭近傍に発現の増加が観察され、篩状板前部においては逆に低下している傾向が認められた。本知見は緑内障の視神経においてVGFの発現が低下しており、VGFの局在変化が緑内障病態に関与している可能性を示唆している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題において、VGF の網膜・視覚路における発現・局在について検討し、予定通り下記の成果を得た。
(1) 正常サル眼におけるVGF の発現および局在の検討:網膜および視覚路におけるVGF の発現および局在についてはこれまで全く報告されていないことから検討した。正常カニクイザル眼の網膜および視神経におけるVGFの発現を免疫染色により検討したところ、内網状層、外網状層および神経線維層、さらに視神経乳頭篩状板前部にかけて広く発現していることが確認できた。この発現分布はこの発現分布は正常マウス網膜の発現分布とほぼ同じであった。
(2) 実験的緑内障サル眼におけるVGFの発現および局在の検討:実験的緑内障モデルサルを作製し、慢性高眼圧に伴う網膜・視神経過程におけるVGFの発現および局在の変化について検討した。実験的緑内障モデルはカニクイザルの片眼の前房隅角にアルゴンレーザーを照射し慢性的に眼圧を上昇させることにより作製した。レーザー照射6ヶ月後の網膜・視神経におけるVGFの発現を蛍光免疫染色により検出した。正常対側眼と比較して、緑内障眼の網膜における発現分布に明らかな違いは認められなかった。しかし、網膜神経線維層の視神経乳頭近傍に発現の増加が観察され、篩状板前部においては逆に低下している傾向が認められた。これは慢性的な眼圧上昇により視神経節細胞からの軸索輸送の低下に伴ってVGFの局在が変化していることを示唆している。

Strategy for Future Research Activity

研究概要の述べた目的に従い下記の通り継続して研究を進める。
1. マウス実験的緑内障モデルに対するVGFの作用の検討:実験的マウス緑内障モデルは網膜神経節細胞選択的に蛍光標識したマウスの視神経をピンセットで10 秒間圧迫挫滅させることにより作製する。VGF 活性ペプチドであるVGF556-576 (TLQP 21)およびVGF588–617 (AQEE30)を硝子体内に投与することにより、その保護作用を評価する。また、視神挫滅後に経時的に網膜を摘出し、網膜組織標本または網膜抽出物におけるVGF の発現変化をリアルタイムRT-PCR、免疫組織学的およびWestern blotting 法により検出する。
2. VGF 遺伝子導入マウスを用いて実験的緑内障モデルにおけるVGF の関与を検証:VGF遺伝子導入マウスを用いて緑内障網膜障害に対する作用を検討する。VGF遺伝子導入マウスは既に作製が完了しており、網膜におけるVGF発現の増加を確認している。また、VGF遺伝子導入により網膜の層構造および形態的な変化については野生型マウスと明らかな差は認められていない。
3. 培養網膜神経節細胞における検討:培養網膜神経節細胞に様々なストレスを負荷による細胞障害に対するVGF活性ペプチドおよびVGF siRNA による発現抑制の作用を検討する。

Causes of Carryover

VGF遺伝子導入マウスの安定した交配に手間取ったため、その大量繁殖の費用およびその確認試験の費用を次年度に持ち越したためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

緑内障モデルの作製およびVGF遺伝子導入マウスの交配・繁殖のために購入するマウス、VGFペプチド、抗VGF抗体および細胞培養に必要な消耗品等に使用する。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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