2016 Fiscal Year Annual Research Report
Attempts to acquire the regenerative ability by use of epigenetic regulation in the damaged mouse retina
Project/Area Number |
26462699
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
須藤 則広 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80646216)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生 / エピジェネティクス / 網膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜ミュラー細胞は発生期の網膜前駆細胞と転写因子の発現が極めて類似しているが、哺乳動物では増殖能および再生能はないと考えられている。その理由は転写因子の発現ではなくその機能に関わるエピジェネティク修飾の相違によるものではないかと推測している。そこで本研究ではエピジェネティクス因子の導入によるミュラー細胞の再生能獲得を目的として研究を行っている。 エピジェネティクス研究では特に遺伝子の活性に関わるヒストンメチル化修飾について解析を行っており、昨年度はマウス網膜の発生期におけるヒストンメチル化修飾の変化を明らかにした。この解析に続き本年度は仮説でもあるエピジェネティク修飾の相違を網膜前駆細胞とミュラー細胞で解析した。その結果網膜前駆細胞では遺伝子の活性化に関わるヒストン修飾が強く、ミュラー細胞では遺伝子の抑制に関わる修飾が強くなることが明らかとなった。これらの結果は本研究の仮説を支持するものといえる。そこで細胞培養系に注目し増殖中のミュラー細胞ではこれらの修飾がどのように変化しているのか検討を行った。その結果、増殖中のミュラー細胞では遺伝子の抑制に関わる修飾が大きく減少していることが明らかとなった。これらの結果からマウスミュラー細胞は分化後に遺伝子の抑制に関わるヒストンメチル化修飾が強くなるが、それらは細胞環境により変化し細胞周期に再進入することが可能であることを示唆している。今後は培養系で発現しているエピジェネティクス関連因子を絞り出し、時期特異的視細胞変性マウスに導入することで生体内における網膜再生を目指す予定である。
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Research Products
(4 results)