2016 Fiscal Year Annual Research Report
Immune regulation for tissue transplantation and regeneration in the eye
Project/Area Number |
26462700
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60251279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 ヒロ子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (00535445)
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 助教 (60516045)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫特権 / 副刺激シグナル / 移植免疫応答 / ICOS/B7RP-1 / VISTAシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
眼領域の移植医療は多様化しているが、現状における重要課題の1つは、宿主応答による移植組織の脱落や機能不全の克服である。本研究の目的は、眼内炎症の制御に関与する分子の発現と機能解析を行い、移植眼に人為的な免疫抑制性微小環境を誘導し、移植組織の生着と機能再生を誘導する新しい分子治療を確立することである。正常眼は、脳や生殖器官と同様に、臓器内の炎症が自動制御される「免疫特権」を有しており、多彩な免疫制御性分子のネットワークをもつことが示唆されている。疾患眼に「免疫特権」を人為的に再建できれば、移植医療のみならず、難治性の自己免疫性疾患などの他の炎症疾患への応用も期待できる。 角膜移植のマウスモデルを用い、In vivoでの眼局所における免疫関連分子(Inducible costimulator (ICOS)とそのリガンドであるB7RP-1のシグナル、V-domain Ig Suppressor of T Cell Activation (VISTA)シグナル)の発現変化と、宿主の二次リンパ器官における免疫応答を解析した。上記分子の機能は、阻害抗体やノックアウトマウスを用い、移植後の移植片生着、血管新生誘導、アロ抗原特異的遅延型過敏反応といった宿主応答を解析した。さらに、In vitroで、様々なポテンシャルのT細胞と眼組織を反応させる系(シャーレ内の拒絶反応モデル)を用い、眼組織に発現する上記の分子群の発現調節により、T細胞の機能が変化するかどうかを解析した。 その結果、ICOSのリガンドであるB7RP-1は、角膜組織に恒発現しており、ICOS/B7RP-1シグナルやVISTAシグナルを阻害すると角膜移植後の拒絶が増強することがわかった。これらの分子は末梢性免疫寛容の誘導に関与し、さらに角膜局所での制御性T細胞の維持に関与して、眼の免疫特権に貢献することがわかった。
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Research Products
(8 results)