2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞放出性鋳型を用いた同種生体内biosheetによる機能的横隔膜の再生研究
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26462712
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 啓介 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (50724887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺脇 幹 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00372384)
古村 眞 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10422289)
中山 泰秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50250262)
佐竹 亮介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70597525)
小高 哲郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80442961)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性横隔膜ヘルニア / 横隔膜 / 再生 / biosheet |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は先天性横隔膜ヘルニアの患児に対して体内の異物表面に形成される組織であるbiosheetを用いて横隔膜の修復と再生を試みる研究である。先天性横隔膜ヘルニアでは出生後まもなく手術が必要であるため、本研究の最終目標は同種生体内(患児の親)で作成したbiosheetを別の個体(患児)に移植して横隔膜ヘルニアを修復し、横隔膜を再生することである。我々は家兎の横隔膜ヘルニアのモデルを用いて研究を行っている。 平成27年度までは自己生体内で作成したbiosheetを横隔膜の欠損孔に移植する実験を行った。移植後3か月後の評価ではbiosheetにより横隔膜の修復が可能であり、力学的強度の評価により本来の横隔膜と同等、またはそれ以上の破断強度をbiosheetが有していることがわかった。さらに組織学的評価では免疫染色を用いてbiosheet上に筋組織が再生されることが証明された。。 平成28年度は目標とする臨床応用に近づけるため、異なる個体内で作成されたbiosheetを移植し、横隔膜の修復や筋組織の再生が可能か検証した。横隔膜に1.5cmの欠損孔を作成し、他の個体内で作成したbiosheetを移植して修復し、3か月後に再度開腹して評価した。しかしながら、大半の症例で横隔膜ヘルニアの合併が見られbiosheetは菲薄化しており、拒絶反応が起こっているものと考えた。現在、移植前にbiosheetをエタノール処理するなどの工夫を加えて実験を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己のbiosheetで横隔膜が修復でき再生されることを証明できた。異なる個体間での移植は現在のところ実現していないが、工夫を加え実験を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
biosheetを移植前にエタノール処理を行うなどの対策を行い、異なる個体間でbiosheetの移植により筋組織が再生されるかを証明する。また、現在のところは1.5cm大の小さな横隔膜の欠損孔の修復しか行っておらず、大きな横隔膜の欠損孔に対する修復を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
実験、研究作業については計画通りに進行しているが、データの解析やまとめ、学会や文献での報告は現在進行中の実験結果をまとめて行う予定であり、その費用のために差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・実験動物や物品の購入 ・実験結果の解析 ・学会や文献での発表のための校閲費、旅費など
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Research Products
(2 results)