2015 Fiscal Year Research-status Report
ビデオ画像の三次元的動的解析による顔面表情運動障害の診断・治療支援システムの開発
Project/Area Number |
26462736
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
田中 一郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10171737)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顔面表情運動解析 / コンピュータ解析 / 診断・治療支援システム / 顔面神経麻痺 / オプテイカルフロー / 三次元的表情解析 / 定量的評価法 / ビデオ撮影画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、治療・手術支援システムの改良とシステム実験 (1)鏡利用の3次元撮影装置・頭部固定装置の検証や表情撮影法の改良を行い、また被験者への撮影表情指導のビデオ作成を進めた。(2)現行の日本語表示より全英語表示へのシステム表示法の改良を進め、より普遍性の高い部位別ウインドウ設定法を検討した。(3)開発した3次元表情運動解析のアルゴリズムのシステム実装を検討し、移動量測定のキャリブレーション機能の検証を進めた。(4)撮影時の体動による測定誤差対策として、解析ソフトでの体動移動量の処理法を検討した。(5)3台のビデオカメラによる3次元撮影装置を製作し、健常者での試用と患者での臨床応用を進め、その3次元表情運動解析のアルゴリズムの検討を進めた。 2、治療・手術支援システムの臨床応用と評価 顔面神経麻痺の保存療法や再建手術、顔面神経麻痺による病的共同運動・拘縮や顔面痙攣に対するボツリヌストキシン治療を対象として、治療や手術前後に各種表情運動のビデオ撮影を3次元撮影装置(頭部固定装置あるいは3台のビデオカメラ利用)も利用して行った。これらのビデオ撮影データをシステムにより表情運動解析し、解析結果の臨床的意味付け及びこれに基づいた手術・治療計画の検討や治療評価を行った。また、顔面運動障害の患者アンケートによる自覚症状の改善度、機能的検討(兎眼、食事のもれ・言語の口唇機能)、柳原法やHB法による評価、などと解析結果を比較・検討し、開発したシステムの有効性につき検討した。筋移植や神経再建例では筋電図(誘発電位や干渉波形)検査を行い、筋電図検査による表情運動評価と比較・検討した。 3、研究成果の発表、システムの普及 本研究の内容や開発したシステムの詳細、また顔面表情運動障害への応用の詳細につき、インターネットでの配信を目指してホームページの作成を完成させ、ホームページを公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1、治療・手術支援システムの改良とシステム実験 表情撮影法の検討として被験者への撮影表情指導のビデオ作成、現行の日本語表示より全英語表示へのシステム表示法の改良、開発した3次元表情運動解析のアルゴリズムのシステム実装、撮影時の体動による測定誤差対策については予定まで進んでいないが、3台のビデオカメラによる3次元撮影装置については製作・健常者への試用から臨床応用にまで進めることができた。 2、治療・手術支援システムの臨床応用と評価 治療や手術前後に各種表情運動のビデオ撮影を行って、システムにより表情運動解析し、解析結果の臨床的意味付け及びこれに基づいた手術・治療計画の検討や治療評価は予定通り進行した。 3、研究成果の発表、システムの普及 本研究や開発したシステムの詳細について、また顔面表情運動障害への応用の詳細についてのホームページ作成を進めたが、ホームページ掲載まで達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
治療・手術支援システムの改良とシステム実験、治療・手術支援システムの臨床応用と評価については、前年度にやり残した課題を進める。特に、3台のビデオカメラによる3次元撮影装置についての再現性の高い撮影方法につき詳細に検討する。 また本研究や開発したシステムの詳細や顔面表情運動障害への応用の詳細などについての研究発表も継続し、また完成させたホームページは今後の研究の進行に応じて順次に修正、更新を行なう予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 所属診療科は計3名の医師(私と助教、専修医)で診療を行なっているが、助教医師は昨年度に産休し出産したが、仕事復帰後も子供の育児、持病のある子供の病気入院、育児・仕事の疲れなどによる彼女自身の体調不良の為にしばしば欠勤する状態となった。これによる人的資源の不足により、私の診療活動に占める時間割合がかなり大きくなり、研究の進行が遅延した。また、海外学会での発表や研究協力での出張は、診療活動の為に制限せざるを得ず、本年度の海外出張などにかかる出費が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
(使用計画) 助教医師の子供も1歳を越えて、ある程度健康状態となってきたため、制限はあるものの助教医師の診療活動・時間の増大は見込め、また次年度は常勤医師の人員増加が見込めるため、次年度は研究活動に使う時間を増やして研究を推進することが可能と思われる。 主に治療・手術支援システムの改良とシステム実験につき、本年度に達成できなかった項目を、次年度に予定した項目に追加して行なう予定である。
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