2014 Fiscal Year Research-status Report
敗血症超急性期モデル動物に対するTEMPO-RNPを用いた抗酸化ストレス療法
Project/Area Number |
26462744
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸島 愛樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40722525)
JESMIN Subrina 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60374261)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 / 末梢循環障害 / 酸化ストレス / 抗酸化ストレス療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症急性期における救命治療においては、循環と炎症、および凝固の管理が重要なキーワード となる。超急性期には、Early Goal-Directed Therapy に象徴されるように各臓器の循環・酸素化 維持のための輸液が、唯一コンセンサスを得た治療である。未だ世界で 1 ヶ月の死亡率が 30%を 超えるこの病態において、3つのキーワードを踏まえつつも全く異なる視点からのさらなる治療法の検討が必要である。先の3つ にキーワードには、いずれも酸化ストレスが密接に関与することが知られる。本研究の目的は、 敗血症に対して、抗酸化剤 TEMPO をミセル化した新しいドラッグデリバリーシステム(DDS)による抗酸化ストレス治療を超急性期に導入することによって、その効果およびメカニズムの検討、 さらには、臨床応用への認容性を探るべくラットモデルを用いた検討を行うことである。その目的の達成のため、以下の3つの実験計画を立てた。 実験計画1:多施設による敗血症患者の登録と採血サンプルの収集(平成26~27年)。 実験計画2:敗血症に対して最も有効な TEMPO-RNP の投与法・タイミングの決定(平成26年度)。シグナル 遺伝子の検索・同定、投与群と非投与群との比較、臨床データとの比較(平成26~28度)。 (実験1にも立ち返り、臨床データと比較、同時に各臓器別に検索・同定する) 実験計画3:上記、実験計画1、2の結果から総合的な評価を行い、特異度・感度とも有用な敗 血症および多臓器不全の早期診断ツールおよび治療法あるいは予防法の確立、臨床試験の準備(27~28年度)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1については、H26 年度中にまず当院での倫理審査を通過させ、臨床データ収集を開始した。 実験2については、H26年度は敗血症モデルの作成と酸化ストレスの計測を行い、介入の最適のタイミングを決定するための経時的な実験を行った。実際のデータ集積も開始できる状態とした。実際の介入動物実験については、本年度中に慎重に検討を進める。 実験3については、これまでのデータからH27年度中に追加する臨床試験の必要性を検討する段階である。重要点としては、敗血症モデル動物の作成に成功した。これより、より有効な介入ポイントの検討に入ることができる。H27年度からの予後診断ツールの作成に向けて総合的な検討の下地ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
敗血症モデルラットの抗酸化ストレス療法の治療介入ポイントを設定し、介入試験を行う。 臨床データの蓄積を継続し、動物実験データとの比較検討を進める。その結果を踏まえて、敗血症の予後診断ツールを作成し、それを利用した新たな治療法の検討までを視野に入れて研究を進める。
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Causes of Carryover |
概ね予定通りに進んでいるが、倫理審査の通過に時間がかかり、実験1での臨床データの蓄積が不十分であり、H26年度使用分の経費も使い切れていない。実験2である動物実験に関しては、予定通りに進行している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
その分をH27年度に実験1のデータの蓄積を実験2と並行して続ける。その費用として使用する。
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