2015 Fiscal Year Research-status Report
虚血脳におけるPACAP神経保護作用効果に関わる分子的因子の同定
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26462745
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴藤 淳子 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 特任研究員 (10611121)
塩田 清二 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 特任教授 (80102375)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | pacap / brain / ischemia / DNA microarray / Proteomics |
Outline of Annual Research Achievements |
【平成27年度の計画】脳梗塞ischemic core(不可逆的範囲)およびischemic penumbra(救済可能範囲)におけるPACAP投与後6時間および24時間のプロテオーム解析(2D-DIGE法)によりPACAPの影響で発現量が変化するタンパク質を分析し、さらにLC/MSによる同定作業を行う。また、昨年度より解析を行っているCRMP2タンパク質のリン酸化解析も行う。さらに脳組織サンプルの分画処理を行いCRMP2の局在性やタンパク質相互作用についても解析を進める。
【研究方法】昨年度に作成したC57BL/6マウス雄性個体による永久中大脳動脈閉塞モデルのischemic core部分とischemic penumbra部分の凍結粉砕サンプルからタンパク質を抽出した。抽出にはLBTT溶液を用い、Protein Precipitation Kitにて精製したものをタンパク質溶液とした。タンパク質溶液の濃度測定後、Cy2はスタンダードとしコントロールと試験区を半量ずつ混合したもの、Cy3はコントロール、Cy5は試験区としてそれぞれ色素でラベリングを行った。 その後2次元電気泳動をし、イメージ解析ソフトにて発現量に差があったスポットを回収して質量分析機器により同定した。さらにリン酸化解析はウェスタンブロッティング法によりCRMP2タンパク質のリン酸化抗体を用いて行った。
【研究結果】リン酸化解析の結果、ischemic core部分とischemic penumbra部分の6時間および24時間ともにPACAP投与によりCRMP2リン酸化の割合が低下することが確認された。またプロテオーム解析(2D-DIGE法)においてはPACAPにより発現量に変化があったタンパク質が回収できた。現在、質量分析装置による同定作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた脳組織の分画処理やタンパク質相互作用の解析については試験条件検討などに時間がかかり明確な結果を出すまでにまでは至らなかったものの、2D-DIGE法によるプロテオーム解析はPACAPにより発現量に差が生じるタンパク質の回収に成功した。さらにリン酸化解析についてもPACAPによりCRMP2タンパク質の脱リン酸化の促進が確認できた。以上のことからおおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は2D-DIGE法により得られたPACAPにより発現量が変化するタンパク質の同定作業、さらにCRMP2タンパク質の機能解析として脳組織の分画処理やタンパク質相互作用の解析を進めていく予定である。あわせて、最終年度として研究成果のとりまとめを行う。
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Causes of Carryover |
CRMP2タンパク質の分画キットおよび分画のための試薬、さらにウェスタンブロッティング解析でのマーカー用の抗体については検討中であったため、当初予定より安価となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において2D-DIGEで選択されたタンパク質同定作業、タンパク質分画およびウェスタンブロッティング解析のための試薬の購入の一部に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)