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2014 Fiscal Year Research-status Report

院内感染に伴う重症敗血症の発症メカニズム解析

Research Project

Project/Area Number 26462747
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

中島 勧  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323597)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 矢作 直樹  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60158045)
内田 寛治  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60302709)
土井 研人  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80505892)
小宮山 雄介  獨協医科大学, 医学部, 助教 (90586471)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords敗血症 / 院内感染症 / 急性腎障害 / バイオマーカー
Outline of Annual Research Achievements

院内感染に伴う重症敗血症の動物モデルとして、回盲部結紮穿孔(CLP)を施行し、4日後に緑膿菌肺炎を起こすtwo hit modelを作成した。CLP、肺炎だけでは軽症だが、腹膜炎に肺炎が起こると重症となるtwo hit modelを作成した。また作成したtwo hit modelに治療薬として、多発性硬化症等で臨床使用されているインターフェロンβ(IFNβ)を使用して、解析を行った。Sham後に肺炎を起こしたsham群の生存率が90%強であったが、CLP+肺炎をおこし、CLP3日後に生理食塩水(NS)を投与した2H,NS群では生存率は9%強まで低下した。またこのtwo hit modelに治療としてIFNβ 70万U/kgをCLP3日後に投与した2H,IFN群では、生存率を改善する結果を得た(40%強)
引き続いて上記3群でメカニズム解析を行った。肺炎後の気管支肺胞洗浄液(BAL)の好中球数やサイトカインを評価したが、sham群と比較して2H,NS群ではBAL中の好中球数や炎症性サイトカインは有意に低下し、2H ,IFNβ群ではsham群と同様のレベルまでそれらが回復した。
臨床研究では東京大学救急部・集中治療部の集中治療室(ICU)へ入院した患者において急性腎障害(AKI)のバイオマーカーと死亡率との関連性を検討した。2012年の1年にICUに入室した患者を抽出し、入室後のクレアチニンやAKIのバイオマーカーである尿中NAG,尿中L-FABPなどの血液・尿中の各種検査項目と、生存率や重症度などの関連性を検討した。その結果クレアチニンの値によってAKIと診断された患者のうち、AKIのバイオマーカーである尿中NAG,尿中L-FABPも陽性である患者は、有意に死亡率が上昇する結果を示すことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

動物実験では、two hit modelという実験手法がやや結果がばらつくものであり、実験の再現性のある結果を得るために多くの実験を必要としたが、動物モデルの確立、治療薬の投与などの実験系は確立し、おおむね順調に経過している。確立した実験系を通して、今後はより深いメカニズム解析として、さらなる検討を進めていく予定である。
臨床研究では今年度は急性腎障害についての検討を行ったが、肺炎症例、腹膜炎症例についての検討がやや遅れているため、次年度の課題である。

Strategy for Future Research Activity

動物実験では、院内感染症を模したtwo-hit modelに対して、肺病理、サイトカインの推移、肺のMPO活性などを含めて、two-hit modelでなぜ生存率が低下するのかのメカニズムの解析をより深く行っていく予定である。また治療薬として使用したインターフェロンβで生存率を上昇させたが、そのメカニズムがどういったものであるのかを、引き続きin vivoの実験、一部ex vivoの実験として進めていく予定である。
臨床研究では肺炎患者を対象に、その患者背景やその原因菌を解析し、重症化にいたる背景因子について検討していく予定である。

Causes of Carryover

当初は動物実験に関して、PCRやサイトカイン測定など、メカニズム解析に必要な試薬などの多数購入が必要であると考え、初年度に重きをおいて予算請求をした。しかしながら、動物モデルの確立にやや時間を要し、そのメカニズム解析に必要な試薬の購入などが最小限となったため、次年度に繰り越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

動物の実験モデルも確立し、今後はさらなるサイトカインの測定やPCRなど、より深いレベルでのメカニズム解析が必要と考えられる。それらの施行にあたっては、多数の試薬が必要になるため、それらの購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 院内感染マウスモデルにおけるインターフェロンβを用いた炎症制御2014

    • Author(s)
      比留間孝広
    • Organizer
      第42回日本救急医学会
    • Place of Presentation
      福岡
    • Year and Date
      2014-10-29
  • [Presentation] Interferon beta improved survival of septic pneumonia induced by intratracheal instillation of Pseudomonas aeruginosa by increasing neutrophil recruitment into the lung.2014

    • Author(s)
      比留間孝広
    • Organizer
      ATS 2014 (American Thoracic Society 2014)
    • Place of Presentation
      アメリカ サンディエゴ
    • Year and Date
      2014-05-19
  • [Presentation] 2次感染モデル(回盲部結紮穿孔後の肺炎)に対するインターフェロンβの効果2014

    • Author(s)
      比留間孝広
    • Organizer
      第61回日本麻酔科学会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-05-16

URL: 

Published: 2016-05-27  

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