2016 Fiscal Year Research-status Report
ラット心筋虚血による梗塞巣へのサイトカイン吸着カラムを用いた血液浄化療法の効果
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26462750
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岡島 正樹 金沢大学, 附属病院, 講師 (00361999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 巧 金沢大学, 医学系, 教授 (30301196)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心筋虚血再灌流 / サイトカイン / 血液浄化 / 冠動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性冠症候群において、冠動脈形成術などの早期再灌流治療は患者の予後を改善してきた。しかし、虚血を解除したのちに生じる虚血再灌流障害は未だ解決されていない問題である。虚血再灌流障害には炎症性サイトカインが大きく関与している。そのため、虚血再灌流後に生じた過剰な炎症性サイトカインをサイトカイン吸着カラムによって除去すれば、虚血再灌流障害が解決するのではないかと着想した。我々はすでに炎症性サイトカインが大きく関与するラット敗血症モデルにおいて、そのよい効果を報告している。今回、ラット心筋虚血再灌流モデルにおいて、急性期にサイトカイン吸着カラムを用いて過剰な炎症性サイトカインを除去することで、再灌流障害が軽減するかを検討することとした。その結果、慢性期の心機能悪化が回避され、最終的には生存率の改善に寄与することが期待される。 虚血再灌流モデルで最も注意すべきは、虚血の大きさである。大きすぎれば、それだけでショックとなり、血液浄化療法ができなくなってしまう。一方、虚血範囲が小さすぎれば、再灌流障害の程度を過小評価してしまう可能性が高い。よって我々はまず、大きく血行動態の破綻をきたさない程度のラット虚血再灌流モデルの構築に着手し、結紮冠動脈の選択とその部位の決定を行った。 次の問題は、血液浄化システム駆動の際の血圧低下であり、サイトカイン吸着のための血液浄化システムを稼働させるための方法を試行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に、心筋虚血再灌流モデルおよび心筋梗塞モデルにおける急性期サイトカイン吸着の慢性期効果を検討する。具体的には、慢性期(28日目)心不全の程度、心筋リモデリングの程度および、生存率を比較する予定であった。しかし、現在はその前段階の虚血再灌流モデルにおけるサイトカイン吸着のための血液浄化システムの構築に難渋し、安全かつ安定した血流を得るための方法を確立している段階であり、当初の計画より大幅に遅れている。実験因子として、適切な冠動脈結紮部位の同定が難しかったこと、前負荷としての適切な補液量の設定や、心収縮力をサポートするためのカテコラミン投与量の設定が困難であったことにある。過剰な補液は心不全を来し、過剰なカテコラミン投与は心破裂を来しかねない。さらにその状態で血液浄化システムを稼働させなければならず、その補助療法を確立するために試行している。
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Strategy for Future Research Activity |
適切な冠動脈結紮部位に加え、適切な補液量(前負荷)とカテコラミン投与量(強心作用)を確立すれば、血液浄化が可能となる。安定した血液浄化システム確立後、虚血再灌流および心筋梗塞モデルにおいて、サイトカイン吸着カラムによる血液浄化が心筋梗塞巣を縮小するか否かを検討する。アポトーシスの減少や梗塞範囲の縮小の有無を組織学的に検討する。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、主に、心筋虚血再灌流モデルおよび心筋梗塞モデルにおける急性期サイトカイン吸着の慢性期効果を検討する。具体的には、慢性期(28日目)心不全の程度、心筋リモデリングの程度および、生存率を比較する予定であった。しかし、安定したモデル作成に時間がかかり、かつ安全な血液浄化療法の補助療法確立が未達成のため、その試行を継続したため、経費繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、安全な血液浄化療法の補助療法を確立し、平成28年度に行う予定であった心筋虚血再灌流モデルおよび心筋梗塞モデルにおける急性期サイトカイン吸着の慢性期効果を検討する。 主に、昨年度できなかったサイトカイン測定、タンパク解析をすべて行うために、繰越金を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)