2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462752
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
田畑 貴久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90278200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 和典 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402716)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多臓器不全 / インスリン強化療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
多臓器不全は過大侵襲後に生じる今なお死亡率の高い病態であるが、そのメカニズムについては未だ明らかにはされていない。申請者らは現在までの研究にて、多臓器不全発症患者に骨髄由来と考えられるproinsulin陽性異常細胞が、骨髄だけでなく、肝臓、腎臓、脂肪組織に出現していることを発見した(未公表データ)。そしてそれらの細胞は、炎症性サイトカインであるTNF-αも産生していた。この異常細胞は高血糖が原因で誘導され、各臓器に移行後、炎症性サイトカインを放出し、多臓器不全発現に寄与している可能性が考えられる。本研究では多臓器不全発症と骨髄由来異常細胞の関係を明らかとし、多臓器不全時における各臓器での病態生理を明らかとすることを目的としている。 平成27年度は平成26年度に引き続き以下の2項目について調査を行った。 ①集中治療室入室患者における白血球中Insulin mRMA発現と1)炎症性サイトカインや抑制性サイトカインとの相関、2)SOFA score、APACHEⅡ score等の重症度との関連、3)死亡率との相関、4)各臓器不全のバロメーターとの相関、凝固線溶マーカーとの相関について調査中である。現在の検討では2)白血球中Insulin mRMA発現とSOFA score、APACHEⅡ score等の重症度との関連、3)白血球中Insulin mRMA発現と死亡率との関係につき相関関係を認めている。 ②臓器障害におけるproinsulin陽性細胞の役割の解明のため、死亡症例に対し同意を頂けた方の病理標本にて、各臓器における抗proinsulin抗体による免疫染色を行い、proinsulin陽性細胞と臓器不全との関わりにつき検討を行っている。昨年度同様に現在のところ、肝不全に対してproinsulin陽性細胞数との相関関係が生じている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予測通り、proinsulin陽性細胞と多臓器不全との間に相関関係が認められているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も同様に検討を進め、症例数を増やしていきたい。
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