2014 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAを標的とした新しい心筋保護治療の構築
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26462758
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
手嶋 泰之 大分大学, 医学部, 助教 (10457608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 尚彦 大分大学, 医学部, 教授 (30263239)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血再灌流障害を軽減する方法に関して、これまでに多くの研究結果が発表されているにもかかわらず未だ臨床応用には至っていない。本研究ではマイクロRNAを制御することにより虚血再灌流障害の軽減を図ること目的としている。我々はこれまでに糖尿病モデル動物の心筋にてマイクロRNA200cとマイクロRNA 141が増加することを発見している。マイクロRNA200cと141を培養心筋細胞内に増加させることにより活性酸素種が増加し、これらのマイクロRNAの発現を抑制することにより活性酸素種量が減少した。以上の結果よりマイクロRNA200cとマイクロRNA141が活性酸素種量の制御に関与することが示唆された。この機序を明らかにするためにマイクロRNA200cと141の標的遺伝子の解明を試みた。「TargetScan」と「miRBase」のデータベースより活性酸素種量に直接関係する可能性のある2つの遺伝子Slc25a3 と Glrx1を抽出した。マイクロRNA200cと141の強発現によるこれらの遺伝子の発現変化を定量的PCRを用いて調べた結果、有意な変化を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋細胞における活性酸素種量の調節に関与する可能性のあるマイクロRNAとして、糖尿病モデル動物を用いた網羅的検索(マイクロアレイ)によりマイクロRNA200cとマイクロRNA141を特定し、実際にこれらのマイクロRNAを心筋細胞内に発現増加、減少させることにより活性酸素種量が増減することを確認した。次に標的遺伝子の特定をめざしている。マイクロRNA標的検索アルゴリズムを用いて、マイクロRNAとメッセンジャーRNAのシークエンスの相補的配列を利用して、標的mRNAを推測し2つの遺伝子を抽出したがこれまでのところ標的であるという確認には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ひきつづき標的遺伝子の検索を続けるとともに、マイクロRNAの発現調節による培養心筋細胞を用いて酸化ストレスによる心筋細胞傷害の軽減効果、動物モデル(ラット)を用いた虚血再灌流障害の軽減効果についての実験をすすめる。
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Causes of Carryover |
昨年度はマイクロRNAの標的遺伝子の同定には至っておらず、当初予定の動物モデルを用いた実験を行なっていないため次年度繰越金が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験を開始することにより予算は消化されると考えます。
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Research Products
(2 results)