2015 Fiscal Year Research-status Report
マイクロRNAを標的とした新しい心筋保護治療の構築
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26462758
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
手嶋 泰之 大分大学, 医学部, 講師 (10457608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 尚彦 大分大学, 医学部, 教授 (30263239)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血再灌流障害を軽減する方法に関して、これまでに多くの研究結果が発表されているにもかかわらず未だ臨床応用には至っていない。本研究ではマイクロRNAを制御することにより虚血再灌流障害の軽減を図ること目的としている。我々はこれまでに血糖値変動が心筋に直接影響し、虚血再灌流障害に対してより脆弱になることを発見した。高グルコース濃度の培養液に暴露した心筋細胞では正常グルコース濃度にて培養した細胞より心筋細胞内の活性酸素種量が有意に増加し、培養液グルコース濃度を変動させた細胞では活性酸素種量が有意に増加し、酸化ストレスに対しより脆弱になった。活性酸素種の指標である心筋内malondialdehyde(MDA)は正常血糖群よりも糖尿病群、糖尿病群よりも血糖変動群で有意に増加していた。同様の結果は動物モデルを用いた実験においても認められ、心筋梗塞サイズが糖尿病群において正常血糖群に比し有意に大きく、さらに血糖変動群では糖尿病群よりもさらに拡大した。ミトコンドリアの形態変化では、糖尿病群と血糖変動群ではミトコンドリアが有意に膨化しており、さらに糖尿病群ではクリステ構造の破壊が認められたが、破壊像は血糖変動群でさらに顕著であった。糖尿病モデル動物の心筋にてマイクロRNA200cとマイクロRNA 141が増加することも新たに発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロRNA200cと141を培養心筋細胞内に増加させることにより活性酸素種が増加し、これらのマイクロRNAの発現を抑制することにより活性酸素種量が減少した。以上の結果よりマイクロRNA200cとマイクロRNA141が活性酸素種量の制御に関与することが示唆された。この機序を明らかにするためにマイクロRNA200cと141の標的遺伝子の解明を試みた。マイクロRNA標的検索アルゴリズムを用いて、マイクロRNAとメッセンジャーRNAのシークエンスの相補的配列を利用して、標的mRNAを推測し2つの遺伝子を抽出したところSlc25a3 と Glrx1が候補として抽出された。
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Strategy for Future Research Activity |
虚血再灌流障害の軽減を目標とし、マイクロRNAの発現調節による心筋細胞傷害の軽減効果について実験をすすめる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Glucose Fluctuations Aggravate Cardiac Susceptibility to Ischemia/Reperfusion Injury by Modulating MicroRNAs Expression.2015
Author(s)
Saito S, Thuc LC, Teshima Y, Nakada C, Nishio S, Kondo H, Fukui A, Abe I, Ebata Y, Saikawa T, Moriyama M, Takahashi N.
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 80
Pages: 186-195
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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