2015 Fiscal Year Research-status Report
モノアミン動態への薬理学的介入による虚血・再灌流時心筋細胞傷害軽減の検討
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26462774
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 剛 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70202554)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心虚血・再灌流 / モノアミン / ヒドロキシラジカル / ミオグロビン / マイクロダイアリシス法 |
Outline of Annual Research Achievements |
心虚血・再灌流時におけるヒドロキシラジカル産生に関して、麻酔下ラットにおいて、心臓マイクロダイアリシス法を用い、ダイアリシスプローブに4-hydroxylbenzoic acidをtrapping reagentとして灌流し、ヒドロキシラジカルとの反応によって生成される3,4-DHBAをHPLCにて測定することによって、心虚血(冠動脈閉塞30分)・再灌流時の虚血部において、ヒドロキシラジカル産生をモニターした。虚血・再灌流時にヒドロキシラジカル産生は上昇し、モノアミンオキシダーゼ阻害薬の局所投与により、その産生が抑制されることを明らかにした。 心虚血・再灌流時におけるモノアミン代謝による心筋細胞傷害に関して、麻酔下ラットにおいて、心臓マイクロダイアリシス法を用い、心虚血(冠動脈閉塞30分)・再灌流時の虚血部において、心筋間質ミオグロビン放出をモニターした。虚血・再灌流時に心筋間質ミオグロビンは上昇し、モノアミンオキシダーゼ阻害薬の局所投与により、その放出が抑制されることを明らかにした。 以上のことから、心虚血・再灌流時において、モノアミンオキシダーゼによってモノアミンは代謝されるが、その際に産生された活性酸素は心筋細胞傷害を引き起こし、モノアミンオキシダーゼ阻害薬はその心筋細胞傷害を抑制することが解明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の現在までの研究計画は、マイクロダイアリシス法により虚血部心筋間質モノアミン動態、および虚血部ヒドロキシラジカル産生動態を解明し、心虚血・再灌流時にモノアミン代謝によるヒドロキシラジカル産生が起きているか、また、その活性酸素により心筋細胞傷害が起きているかどうか解明することであり、現在までに研究は申請書の予定通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した通り、モノアミン代謝によって活性酸素が産生され心筋細胞傷害を引き起こすが、そのpathwayのいずれかを薬理学的に介入して心筋細胞傷害を軽減できるかの検討を、予定通り進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
人件費が予定より大きくなったため、予定の物品が購入できず、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分とあわせて、主として実験動物、薬剤、HPLC消耗品、ダイアリシスプローブ材料等の消耗品の物品費に使用する予定である。
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