2014 Fiscal Year Research-status Report
病原性細菌を標的とした選択的オートファジーの特異な膜動態とその分子機構の解明
Project/Area Number |
26462776
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野澤 孝志 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10598858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 知宏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70725499)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / A群レンサ球菌 / Rabタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、病原性細菌を標的とした選択的オートファジーの特異な膜動態とその分子メカニズムの解明を目的とし、以下の2項目を実施している。 i) 細菌認識に関わるオートファジーアダプタータンパク質と細菌との相互作用から、細菌種に応じたアダプターの使い分けとその制御メカニズムを明らかにする。 ii) 細菌感染時特異的なオートファゴソーム膜形成の制御因子を同定し、それらの時空間的なダイナミクスを解析することで、細菌集団を包み込む巨大なオートファゴソームの膜新生及び膜供給機構を明らかにする。 i)に関しては、宿主認識に関わる可能性が高い菌体表層タンパク質の遺伝子欠損株を網羅的に作製し、ヒト上皮細胞内におけるアダプターによる認識効率を調べた。その結果、1変異株で認識効率が減少していた。現在、欠損させた表層タンパク質とアダプタータンパク質の相互作用についてin vitroの相互作用解析を進めている。 ii)に関しては、A群レンサ球菌感染モデルを用い、細胞内オルガネラ局在変化を調べた結果、ゴルジ体の断片化とゴルジ体を介した順行輸送が阻害されていること発見した。さらに、順行輸送経路は形質膜に輸送されず、菌を囲うオートファゴソームに輸送されており、この輸送はRab30によって制御されていることを明らかにした。この結果は、本研究の目的である感染時特異的なオートファジーの膜動態を示しており、非常に重要な結果であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
細菌に応じた特異なオートファジーの膜動態について、菌により断片化したゴルジ体成分を利用することで、巨大なオートファゴソームの形成を可能としていることを発見し、当初の予定以上の進捗が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、感染時特異的なゴルジ体の膜動態について、脂質成分の解析とその重要性について解析を進めていく予定である。これによって、膜制御機構の詳細な分子メカニズムの解明が期待できる。
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