2014 Fiscal Year Research-status Report
プロテオグリカンを介した歯胚細胞外環境の構築機序の解明と新規歯胚組織再生法の確立
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26462777
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80187400)
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / 歯胚 / 細胞外基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)について、歯胚の細胞外環境の構築とその変化、幹細胞ニッチとしての役割、歯胚細胞内シグナル伝達と細胞分化機構について解明するために、遺伝子改変マウスを用いて解析することを目的としている。平成26年度では以下の研究結果が得られた。 1. 正常歯胚発育過程におけるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの免疫組織学的検索:胎生13日齢から生後4週齢のマウス切歯・臼歯組織におけるCS鎖、HS鎖の経時的局在について、血管および神経組織との関係性に着目しながら免疫組織化学的に検索した。その結果、CSは胎生期歯胚の歯乳頭に瀰漫性に局在しており、さらに神経・骨・軟骨周囲の間葉にも強く発現していた。歯髄組織の成熟とともにCSの発現は消失した。一方、HS鎖は血管周囲の基底膜に限局していた。 2. コンドロイチン硫酸合成酵素ノックアウト(CSKO)マウスの顎顔面ならびに歯の形態学的観察:CSKOマウスでは低頻度で口蓋裂、顔面裂が発症し、上顎劣成長による切歯の不正咬合も確認された。臼歯の形態形成はほぼ正常に進んでいたが、歯冠の矮小化が確認された。 前項までの実験結果より、コンドロイチン硫酸鎖はとくに歯髄および歯胚周囲間葉組織に発現し、歯胚の形態形成の制御に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成26年度の研究計画内容についてほぼ予定通りに研究が遂行されており、その研究成果を平成27年度開催の学術集会にて発表する予定である。しかし、研究分担者の所属の異動によりCSKOマウスの供給がやや遅れたことにより、平成26年度で実施予定であったin vitro研究の一部を平成27年度に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づき、平成27年度は以下の項目について遂行する。 1. 歯胚上皮・間葉組織におけるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン関連因子の同定:歯胚組織の一部を凍結切片とし、マイクロダイセクションにより各発育段階の歯胚上皮細胞、間葉細胞のRNAを採取し、DNAマイクロアレイにより時期および部位毎にCSPGと連動して変化するシグナル分子を特定する。 2. CSPG関連シグナル分子の歯胚での発現解析:マイクロアレイ解析で特定されたCSPG関連シグナル分子について、経時的な歯胚組織での局在、時期および部位特異的な遺伝子発現変動を詳細に検証する。
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Causes of Carryover |
コンドロイチン硫酸合成酵素ノックアウトマウスを供給していただいている分担研究者の武内恒成教授が、新潟大学から愛知医科大学に異動となったことより、ノックアウトマウスの供給がやや遅れ、それに必要な解析を次年度に行うこととなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に実施予定であった、コンドロイチン硫酸合成酵素ノックアウトマウスの解析の続きを平成27年度に実施することになったため、解析に必要な遺伝子解析試薬ならびに組織学的検索の試薬を購入する。
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Research Products
(5 results)