2016 Fiscal Year Annual Research Report
A new reconstruction method using intraosseous microenvironment reproduction system of segmental excision bone
Project/Area Number |
26462784
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武部 祐一郎 岡山大学, 歯学部, その他 (00714677) [Withdrawn]
山近 英樹 岡山大学, 大学病院, 講師 (10294422)
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨組織 / 再生 / TCP |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度研究によりハニカムTCP孔内に骨芽細胞系培養細胞を充填した実験系においては、培養細胞に十分な血流が確保されず骨組織形成は難しいと考えられた。血流の改善を配慮し血管形成を目的に人臍帯静脈内皮細胞を用いた実験系を用いてもほぼ同様の結果であった。 そこで本年度はハニカムTCPの形状を変化させ、生体内において骨形成に関与する幹細胞を孔内に遊走、骨芽細胞に分化させ十分な骨組織形成を誘導するための検討を行った。長さ5ミリ、直径75μmから1600μmの各種口径の貫通孔を有するハニカムTCP孔内にマトリゲルに混和したBMP-2を充填し埋入体とした。ラット上顎骨を欠損させ、同部位に各種ハニカムTCPを埋入し3週後に摘出、組織学的に検討した結果、ハニカムTCPの口径が300μmで正常に近い骨組織構築が認められ、骨形成量も最も多かった。そこで同ハニカムTCPの長期的な影響について検討するため上顎骨欠損部にハニカムTCPを埋入、6ヶ月後に摘出、マイクロCTを用いた観察、および組織学的に検討した。マイクロCTによる観察ではBMP-2非添加群においても骨組織の形成が認められ既存骨との連続性は回復していた。BMP-2添加群では埋入した円筒形状のハニカムTCPは吸収変形し、骨欠損部は既存骨とほぼ同様の形状に復元していた。トラップ染色による観察では、既存骨と連続するハニカムTCPの断端ではトラップ陽性の破骨細胞はほとんど認められず、ハニカムTCPは骨組織に取り込まれるように存在していた。しかしながら既存骨に接さず、明らかに突出していると思われる部位においては、多数のトラップ染色陽性破骨細胞の出現が認められ、元の骨組織形状を復元するようにTCPを溶解していた。 以上のことから我々が使用したハニカムTCPは高い骨形成能を有しており、また既存骨の形状を復元させる能力を有している極めて優れた生体材料であると考えられた。
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Research Products
(5 results)