2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of PP2A in bone formation and mesenchymal cell differentiation
| Project/Area Number |
26462786
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokushima |
|---|
Principal Investigator |
岡村 裕彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 准教授 (20380024)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽地 達次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (50156379) [Withdrawn]
吉田 賀弥 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 講師 (60363157)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| Keywords | プロテインホスファターゼ / PP2A / 骨芽細胞 / 脂肪細胞 / 骨肉腫 / 間葉系細胞 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
骨は骨格運動系の中心であるだけでなく、カルシウム代謝や造血幹細胞の維持・分化など多様な役割を担っている。つまり、骨の恒常性は局所の硬組織疾患だけでなく、全身の代謝・循環器疾患にも影響を与える重要な要素と考えられる。細胞の分化・機能は蛋白質のリン酸化・脱リン酸化により厳密にコントロールされている。このうち、蛋白質の脱リン酸化に関わる酵素の一つがPP2A であり、触媒サブユニットPP2A Cαを中心に多種類の調節サブユニットが会合し、様々な細胞内外の現象を制御している。PP2A Cαを欠失したマウスは間葉系組織の形成不全により胎生致死であることから、PP2A Cαは骨芽細胞や脂肪細胞の起源となる間葉系細胞の発生・分化に必須と考えられる。本研究の目的は、PP2A Cαによる骨形成と間葉系細胞分化のメカニズムを解明することであった。我々は、PP2A Cαが骨芽細胞の分化と機能に重要な役割をもつことを報告した。本研究では、in vivoでの骨形成および間葉系前駆細胞の分化におけるPP2A Cαの役割を中心に解析を行った。具体的には、PP2A CαトランスジェニックマウスおよびPP2A Cα発現を抑制した間葉系前駆細胞を用いてin vivoでの骨形成と脂肪細胞分化におけるPP2A Cαの役割について検討した。その結果、1. 骨特異的にPP2A を抑制したマウスでは骨密度が増加した。2. PP2Aの抑制によりWnt/GSK3β/β-catenin経路を介して脂肪細胞の分化が促進された。3. PP2Aの抑制により骨肉腫細胞の増殖・転移能が低下した。これらの結果は、骨芽細胞のPP2Aがその分化や機能を制御するのみならず、脂肪細胞の分化や骨肉腫の悪性化にも関与することが示された。
|
