2017 Fiscal Year Research-status Report
歯髄血管新生過程におけるTPO/MPLシグナル制御機構の時空的解析
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26462800
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
春原 正隆 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (70287770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 茂 国立感染症研究所, 獣医科学部, 部長 (00167686)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎生期 / 血管 / 歯胚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず先ず初めに、前年度歯胚の形態に納得できなかった日齢のマウス(E11.5, E17.5)におけるAngpt1およびAngpt2の各遺伝子の経時的発現状況に関し、in situ hybridization法を用いて詳細に解析を行なった。次いで、Tie2、Vegfr2、c-mpl 各遺伝子に関しても、 E11.5~E15.5日齢のマウスにおいて前年度歯胚の形態的に満足のいく結果の得られなかった各日齢における経時的遺伝子発現状況に関しin situhybridization法を用いて詳細に解析を行なった。 そして今回得られた上記解析結果に関し、既に解析済のFlk1(VEGF-R2), Tie-2遺伝子の経時的発現状況と再度比較検討を行い、歯胚発生過程における血管新生の分子機構に関する検証を行った。angiopoietin1遺伝子は、胎生11.5日から18.5日齢のマウス胎児において、エナメル器、歯乳頭、歯胚周辺部間葉細胞等において時期特異的、部位特異的に明瞭に発現していることが確認され、angiopoietin2遺伝子とは異なる発現パターンが時期特異的に認められた。また、Tie2、Vegfr2、c-mpl 各遺伝子にしては、前年度までに得られていた解析結果を裏付ける結果が得られた。 今後、各種angiopoietin遺伝子の発現状況の差異の意義に関して詳細に検討を行い、Flk1(VEGF-R2), Tie-2遺伝子の経時的発現状況の解析結果をふまえ歯胚領域血管新生過程における血管内皮細胞および壁細胞間相互作用の分子メカニズムを明らかにすることにより歯髄再生医療具現化の基盤となる重要な知見を提供出来るものと考えております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の実験は、前年度歯胚の形態に不満の残るE11.5から E18.5における各日齢のマウス胎児の切片を揃えた後、再度各種angiopoietin遺伝子に関しin situ hybridization法を用いて経時的遺伝子発現状況の解析を行った。in situ hybridization法における解析にあたり、とりわけ本実験系で正常にworkするangiopoietin遺伝子のベストのプローブの選定に予想以上の時間を要したこと、歯胚の形態にこだわりなお且つ極力上顎・下顎の歯胚を同一切片上で揃えた切片の必要枚数を確保することが極めて困難であったため、in situ hybridizationの実験遂行に必要な切片の枚数確保にかなりの時間を要しましたことが最大の原因であると考えております(とりわけE11.5の切片確保が厳しい状況でございました)。従いまして「研究の目的」の達成度に関しましては「やや遅れている」と報告させて頂きたいと存じます。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は胎生期における上記各種遺伝子の経時的遺伝子発現状況の解析結果をふまえて、我々が既に解析を終えている血管新生に関与することが予想される各種遺伝子との関連、さらには最適なc-Mpl抗体を選定し、E11.5~E18.5の各日齢におけるc-Mplの発現状況について詳細な解析を行い、TPO/MPLシグナルとのクロストークの可能性の有無に関しても詳細に検討してまいりたいと考えております。 他方、血管内皮細胞の増殖シグナルにはPKCの活性化が必須であるとの報告もあることから、in situ hybridization法および免疫染色法により、各種PKC-isoformおよびPKC-isoform 発現に関与するWntシグナル関連遺伝子の発現状況の解析結果とこれまで解析済みの血管新生に関与することが予想される各種遺伝子との相関についても最終的に検証を行い、血管新生因子発現に関与する一連の遺伝子の同定および各遺伝子分子間相互作用の分子メカニズムを解明することにより、血管内皮細胞、壁細胞の分化・成熟に関する時間的・空間的制御機構を明らかにし、歯髄再生医療具現化の基盤となる重要な知見を提供してまいりたいと考えております。
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Causes of Carryover |
2月末に納品は完了しておりましたが、先方が請求書送付済みと勘違いしておりました関係で請求書到着が遅れてしまい支払いが年度を越えてしまい次年度使用額が生じた結果となりました。
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Research Products
(4 results)