2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな骨格筋形成調節因子としてのカートデューシンの役割と遺伝性筋疾患との関連
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26462836
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 隆史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80324789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 惣平 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80173524) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Cartducin / CTRP3 / C2C12細胞 / ERK1/2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が軟骨組織から同定した 分泌蛋白 “Cartducin(カートデューシン)” は新たなカテゴリーである「C1q/TNFスーパーファミリー」に属し、骨格の形成・成長を調節するなど生理的・病理的に多様な作用を発揮することが明らかになっている。平成27年度はまず、前年度に続きマウス筋芽細胞株C2C12と組換えCartducinを用いて、筋芽細胞の細胞融合に対する作用を詳細に調べた。C2C12細胞を分化させ、最大効果を示す濃度の組換えCartducinを添加しながら5日間培養した。培養終了時に細胞層を固定し、ミオシン重鎖に対する抗体を用いて細胞免疫染色を行い、融合インデックス(全ての細胞の総核数に対する筋管細胞の核数の割合)を求めたところ、Cartducinは筋芽細胞の融合を抑制することが明らかになった。続いて、筋芽細胞や筋管細胞を組換えCartducinで刺激した後、経時的(5,15,30,60分)に細胞層からタンパク質を抽出してERK1/2、JNK、p38、Aktなどに対する抗リン酸化抗体を用いたウェスタンブロットを行い、Cartducinの刺激に応答して活性化される筋芽細胞/筋管細胞内のシグナル伝達経路を調べたところ、筋芽細胞への増殖促進作用や筋管細胞への分化抑制作用にはERK1/2経路が関わっていることが判明した。さらに、筋芽細胞の分化に重要な役割を果たすサイトカインの発現に対するCartducinの影響について調べるため、Cartducinで刺激した細胞層からRNAを抽出してリアルタイムPCR法を用いて筋形成因子(IGF)や抑制因子(Myostatin)の発現をmRNAレベルで解析した結果、IGFやMyostatinの発現量に有意差は見られないことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究予定項目である、Cartducinの筋芽細胞の細胞融合に対する作用の解析、筋芽細胞/筋管細胞におけるCartducinの刺激に応答して活性化される細胞内シグナル伝達経路の解析など、前年度に続く一連のin vitro解析において成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝性筋疾患のうち、筋ジストロフィーでは病気の進行とともに骨格筋の変性と再生が繰り返される結果、筋繊維が喪失して脂肪細胞が蓄積することが明らかになってきた。今後は、脂肪細胞の分化に対するCartducinの作用についても検討して行く予定である。また、引き続きin vivo解析として、我々が作製したCartducinヘテロ欠損マウス同士を交配させてCartducinノックアウトマウスを獲得し、個体内でのCartducinの機能も調べる予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3T3-L1脂肪前駆細胞などを用いて脂肪細胞の分化に対するCartducinの作用を解析する。また、Cartducinヘテロ欠損マウス同士を交配させて獲得したCartducinノックアウトマウスを用いて表現型を解析する。
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Research Products
(1 results)