2016 Fiscal Year Research-status Report
新たな骨格筋形成調節因子としてのカートデューシンの役割と遺伝性筋疾患との関連
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26462836
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 隆史 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (80324789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 惣平 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80173524) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Cartducin / CTRP3 / C2C12細胞 / 3T3-L1細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性筋疾患のうち、筋ジストロフィーでは病気の進行とともに骨格筋の変性と再生が繰り返される結果、筋繊維が喪失して脂肪細胞が蓄積することが明らかになってきた。そこで平成28年度は、マウス脂肪前駆細胞株3T3-L1を用いて脂肪細胞の分化に対するCartducinの作用について検討した。3T3-L1細胞を分化誘導培地で分化させて経時的にCartducin遺伝子の発現を調べたところ、脂肪細胞への分化に伴いCartducin遺伝子の発現は著しく減少した。また、最大効果を示す濃度の組換えCartducinを添加しながら3T3-L1細胞を分化誘導培地で8日間培養した。培養終了時に細胞層を固定してオイルレッドO染色を行い、脂肪細胞内の油滴の量を観察したところ、Cartducinは脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化を抑制することが明らかになった。実際、Cartducinを添加した細胞層からRNAを抽出し、リアルタイムPCR法を用いていくつかの脂肪分化関連遺伝子の発現をmRNAレベルで解析したところ、PPARrやC/EBPa、AdiponectinやFABP4などの遺伝子の発現量が有意に低下していた。さらに、脂肪細胞に分化させた3T3-L1細胞を組換えCartducinで刺激した後、経時的(5,15,30,60分)に細胞層からタンパク質を抽出してERK1/2、JNK、p38、Aktなどに対する抗リン酸化抗体を用いたウェスタンブロットを行い、Cartducinの刺激に応答して活性化される脂肪細胞内のシグナル伝達経路を調べたところ、Cartducinの分化抑制作用にはERK1/2経路とAkt経路が関わっていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Cartducin遺伝子欠損マウスを飼育・維持していたが、バックアップとして保存していた凍結胚から新たに個体を作出する必要が生じた。その作業に予想外の時間を費やし、遺伝子改変動物を使用するin vivo解析実験が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vivo解析を主体とする。すなわち、我々が作製したCartducinへテロ欠損マウス同士を交配させてCartducinノックアウトマウスを獲得して表現型を解析し、個体内でのCartducinの機能を調べる予定である。
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Causes of Carryover |
Cartducin遺伝子欠損マウスを飼育・維持していたが、バックアップとして保存していた凍結胚から新たに個体を作出する必要が生じた。その作業に予想外の時間を費やし、遺伝子改変動物を使用する実験が遅れたため当初の見込み額と執行額は異なった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に大きな変更はなく、次年度はin vivo解析を主体とした使用計画である。
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Research Products
(1 results)