2015 Fiscal Year Research-status Report
3T―MR撮影対応型非磁性血管内ステントおよび脳血管クリップの実用化
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26462839
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
誉田 栄一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30192321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 直樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (10219272)
吉田 みどり 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (30243728)
細木 秀彦 徳島大学, 大学病院, 講師 (60199502)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体内金属 / 脳動脈瘤クリップ / Au-Pt-Nb合金 / TOF / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行った、MRアンギオグラフィー(Time of Flight法)の評価をさらに詳細に検討を行った。その評価方法は他の研究にも応用可能であることがわかり、歯科用矯正プラケットのMRアンギオグラフィーへの影響をみるための評価法として適用した。その結果、従来、均一であると考えられていたブラケットでも、ロットによりアーティファクトに明らかな差が認められ、微小な差を同方法により評価できることが判明した。現在、この評価法および結果に関して、論文を投稿中である。 この方法を利用し、さらに新しいAu-Pt-Nb合金による脳動脈瘤クリップ、市販され現在も流通している、チタン合金のクリップとCo-Cr-Fe-Ni合金のエルジロイの再評価を行った。けその結果、チタン合金クリップとエルジロイ合金クリップは、以前の方法同様に明らかなアーティファクトによる部分的な血管消失像が認められたが、新しいクリップでは、詳細に実験を行っても、一切のアーティファクトの出現が認められなかった。現在、前述した論文が採択されしだい、この結果を論文投稿する予定である。 クリップの機械的な特性に関しては、試作品がまだ2つしかないため、破損を考慮して行われていない。論文投稿時に、機械的特性に関しての質問があったならば、そのとき、破損を覚悟して測定刷る予定である。また、現在試作品の数を増やすことを検討している。 血管内ステントに関しては、ステント内を流れる血流を模擬したMRアンギオグラフィーの評価方法の検討を行っている。最初に行われた方法では、作製したステントに合金の不均一性が出現し、特定の部分にアーティファクトが出現したために、あらたなステントの作製を検討している。 現在は、Au-Pt-Nbn3元の合金を用いているが、第4の物質の添加により、機械的特性の向上がえられないか否かの検討も引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳動脈瘤クリップに関しては、機械的特性の測定(とくに、把持力と維持力)がまだ行われていない。クリップの作製は、非常に高度な技術を要することから、大学ではできなく、企業にまかせている。現在、試作品の数が2つしかないことから、クリップとしての使用による破損を考慮して、画像での影響の実験を進めているために、なかなか進まない。画像での評価方法は、矯正用金属のMRアンギオグラフィーでの影響を調べる評価法を確立し、論文投稿中であり、この方法が認められれば、現在行った、脳動脈瘤クリップの評価に関して、論文を投稿する準備がほぼ整っている。 一方、血管内ステントに関しては、他大学との共同研究の末に、申請していた特許(塞栓形成用コイル)が特許公報(B2)(特許番号、特許第5899864号、P5899864)に、公開された。これは、私たちが最初に行っていた金ー白金の2元合金を基にしたものである。これらのことから、ステントに関しては、実用化に向けて、かなり進んでいると、しかし、脳動脈瘤クリップっは、進行が遅いと判断されることから、総合的に、おおむね重畳に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
脳血管クリップの試作品の数を増やし、機械的測定を行い、現在の合金組成で問題がないかを検討する。またMRアンギオグラフィーにおける金属アーティファクトの影響を第3者の観点から評価し、また公開するために論文投稿を行う。 血管内ステントに関しても、現在プロトタイプの試作が行われたが、合金組成に不均一性が認められ得ことから、より均一性の高い作製法の検討を行う。 また両、製作物に言えることだが、Au-Pt-Nb合金の機械的特性をさらに上げるための第4の添加物質の検討を行う。
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Causes of Carryover |
合金作製のための金属代を計上していたが、脳血管クリップや血管内ステントの作製は企業に依頼する必要がある。現在の試作品の改良点がまだ完全には不明であることから、材料の購入が止まったままである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
合金作製の材料および製作費。また脳血管クリップや血管内ステントの製作費にあてる。
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