2014 Fiscal Year Research-status Report
われわれは転移リンパ節のSUV上昇に何を見ているのか?
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26462845
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 美穂 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (10437874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30172406)
角 美佐 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90284702)
佛坂 由可 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10244089)
片山 郁夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80295089)
榮田 智 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (80325662)
高木 幸則 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30295084)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PET/CT / FDG / 転移リンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、マウス脾臓から採取したリンパ球やヒト線維芽細胞、ヒトがん細胞などを用いて共培養系を作製し、糖代謝活性について明らかにする予定であった。しかしながらこれらの予定を変更して、まず本年度は臨床データの検討を行った。というのも、本来の計画では、FDG集積の評価に主としてSUVmaxを用いる予定であったが、近年volume-basedで評価するmetabolic tumor volume (MTV)やtotal legion glycolysis (TLG)といった定量的パラメータが提唱されるようになったからである。MTVはSUVmaxに代わり一定の閾値を定めてそれを超える領域の体積(腫瘍体積)を算出したものであり、TLGはMTVに平均SUVをかけたもので腫瘍の総代謝量を表す指標と考えられる。そこで、これらの定量的パラメータが頭頸部癌の頸部リンパ節転移や予後予測に対してどのような特徴を持つのかについて頭頸部癌患者のFDG-PET/CTデータを用いて、SUVmaxとの比較・検討を行った。その結果、初診時のPETにおける原発巣のSUVmaxは多変量解析の結果、リンパ節転移との関連は明らかでなかった。一方、初診時原発巣のMTVやTLGの値が高いと生存率が有意に低くなることがわかり、TLGやMTVは独立した予後予測因子となり得る可能性が示唆された。従って、次年度以降に行う動物実験におけるFDG集積の評価の際には、SUVmaxに加えてMTVやTLGといったパラメータを加えて評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の細胞を用いた実験計画からは変更になったが、FDG-PETのよりよい解析方法が明らかになったため、次年度への研究に生かすことができる。したがって研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はマウス脾臓から採取、培養したリンパ球とヒト線維芽細胞、ヒト結腸腺癌細胞 およびヒト乳がん細胞の共培養システムを用いた転移リンパ節モデルを作成し、糖代謝活性に様々な変化を与え、その時の糖代謝能の変化と共培養による細胞間の影響の有無を単培養系と比較し明らかにする。
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Causes of Carryover |
当該年度は細胞や動物を用いた実験を行わなかったために、計画していた薬品や機器を購入しなかったため、予定額より実際の使用額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は細胞および動物を用いた実験を行う予定であり、そのための消耗品や実験機器購入のための費用が必要である。また学会、論文発表のための費用が必要となる。
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