2014 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームで運ばれるmicroRNAは歯周病における歯槽骨破壊に関与するか?
Project/Area Number |
26462853
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (30405774)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | microRNA / Exosomes / Extracellular Vesicles / Osteoclasts / Bone / Periodontal Disease |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、マクロファージに着目し、炎症性サイトカインがマクロファージへ作用した時に放出されるエクソソームを含む細胞外小胞について解析した。 ヒト単球様細胞株THP-1を200nM PMAで3日間処理し、マクロファージ様細胞を誘導した。その後、炎症性サイトカインTNF-a存在下および非存在下で培養し、それぞれの培養上清から細胞外小胞を回収した。 1. まず、ヒトマクロファージ様細胞から得られた細胞外小胞の粒子数と大きさの分布をTNF-a刺激の前後で計測した。TNF-a刺激前の粒子径の平均値は133nm、モード値117nm、刺激72時間後の平均値は136nm、モード値117nmであった。粒子数は刺激前で2.99 x 108個/mL、刺激72時間後4.07 x 108個/mLであった。このことから、ヒトマクロファージ様細胞が分泌する細胞外小胞は、TNF-a刺激によって増加するが、粒子径はほとんど変化しないことが、示唆された。 2. TNF-a刺激の前後で細胞外小胞内のRNAを回収し、microRNAの発現をマイクロアレイ法で網羅的に解析した。TNF-a刺激前の細胞外小胞内では、調べた1,222種類のmicroRNAのうち、53種類の発現が確認された。特に、miR-1246, miR-574-5p, miR-4281がこの順に多く発現していた。一方、TNF-a刺激72時間後の細胞外小胞内では、発現量の多い上位10種類程度のmicroRNAのプロファイルには、大きな変化はなかった。しかし、それ以下の発現順位のプロファイルは大きく変化していた。このことから、TNF-aによって、ヒトマクロファージ様細胞が分泌する細胞外小胞内のmicroRNA発現プロファイルは、多量に発現しているものを除き、大きく変化する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトマクロファージの実験に、予定よりも時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究分野は新しい分野のため、至適な実験条件等を確立するのに時間が必要だった。 平成27年度は、これまでのノウハウが蓄積されてきたので、早く結果が出せるようにしたい。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画に比べて、やや遅れがあったために、次年度使用額が生じた。しかし、平成27年5月14日現在、その遅れは取り戻し、繰り越した研究費も近日中に全額使用済となる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年5月14日現在、研究計画の遅れは取り戻し、繰り越した研究費も近日中に全額使用済となる。
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