2015 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームで運ばれるmicroRNAは歯周病における歯槽骨破壊に関与するか?
Project/Area Number |
26462853
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (30405774)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エクソソーム / microRNA / 細胞外小胞 / 破骨細胞 / 歯周病 / マクロファージ / 炎症性サイトカイン / 骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、炎症性サイトカインTNF-alphaがマクロファージへ作用した時に放出されるエクソソームを含む細胞外小胞について、前年度の結果を更に詳細に解析した。ヒト単球様細胞株THP-1を200nM PMAで3日間処理し、マクロファージ様細胞を誘導した。その後炎症性サイトカインTNF-alpha存在下および非存在下で培養し、それぞれの培養上清から細胞外小胞を回収した。前年度は、細胞外小胞内で発現量の多い上位10種類程度のmicroRNAのプロファイルには、TNF-alpha刺激による大きな変化はなかったことを報告した。その一方で、それ以下の順位のmicroRNAでは、有意に変動したmicroRNAが多数あった。解析した1,222種類のうち100種類のmicroRNAについて、TNF-alpha刺激で2倍以上発現が変動した。特に、miR-146a (miR-146a-5p), miR-378 (miR-378a-3p), let-7b (let-7b-5p), miR-16 (miR-16-5p), miR-21 (miR-21-5p),および miR-670 (miR-670-5p)については、TNF-alpha刺激で有意に発現が上昇した。以上、前年度の結果と考え合わせると、TNF-alphaはヒトマクロファージの細胞外小胞の分泌を促進させて、細胞外小胞内のmicroRNA発現プロファイルを変化させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、マクロファージと口腔上皮細胞から得られたエクソソームを用いて実験する予定であった。マクロファージに関しては順調に実験できたが、口腔上皮細胞からのエクソソームが回収できなかった。このことが原因で時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は培養細胞で得られた研究結果をもとに動物実験する予定であったが、予定を変更して「口腔上皮細胞からエクソソームが分泌されるかどうか培養細胞で再検討」し、 口腔上皮細胞がエクソソームを分泌しない場合は、歯根膜細胞などの他の細胞で実験する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として18661円生じたが、不必要な物品を年度内に無理に購入せずに、次年度に有効活用するため敢えて残した。今年度の予算使用率は99%以上であり、予定通り予算を使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記予算は、次年度の試薬購入に充てる予定である。
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