2016 Fiscal Year Annual Research Report
Extracellular calcium increases gene expression of fibroblast growth factor-2 via a PKA and ERK1/2 pathway in mouse dental papilla cells.
Project/Area Number |
26462868
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金谷 聡介 東北大学, 歯学研究科, 助教 (80375097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 英二 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (40292221)
島内 英俊 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (70187425)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯乳頭細胞 / 細胞外Ca2+ / FGF-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト歯髄細胞、象牙芽細胞の前駆細胞である不死化マウス歯乳頭(mDP)細胞、並びに種々の間葉系幹細胞であるマウス歯小嚢細胞(SVF4)およびマウス胚由来細胞(C3H10T1/2)において細胞外Ca2+がFGF-2の発現に与える影響について解析を行ったところ、細胞外Ca2+はヒト歯髄細胞およびmDP細胞さらにはSVF4およびC3H10T1/2のFGF-2遺伝子の発現を増強することを見出した。そこで、mDP細胞に着目し、細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強機構について解析した。Ca2+などの2価の陽イオンを感知することが知られている受容体CaSRおよびGPRC6Aの遺伝子発現はみられなかった。さらに、Ca2+以外の2価の陽イオンとしてMgCl2を用いてmDP細胞を刺激した場合はFgf-2遺伝子の発現増強はみられなかった。このことから、mDP細胞にはCaSRおよびGPRC6Aとは異なる受容体を介した、Ca2+に選択的な感知機構が存在し、そのシグナリングによりFgf-2遺伝子の発現が増強されることが示唆された。次に、細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強に関わるシグナル伝達機構について解析を行った。プロテインキナーゼA阻害剤で前処理した場合に細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強は抑制された。さらに、細胞外Ca2+刺激はMAPキナーゼp38およびextracellular signal-regulated kinase 1/2(ERK1/2)のリン酸化を誘導した。そこでp38およびERK1/2阻害剤で細胞を前処理したところ、ERK1/2阻害剤で前処理した場合のみ細胞外Ca2+によるFgf-2遺伝子の発現増強は抑制された。以上のことから、細胞外Ca2+はPKAおよびMAPキナーゼERK1/2を介してmDP細胞のFgf-2遺伝子発現を増強することが示唆された。
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