2015 Fiscal Year Research-status Report
根尖性歯周炎等の口腔内感染巣に由来する「歯性好中球減少性発熱」の概念の確立
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26462881
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
曽我 賢彦 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70509489)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 好中球減少性発熱 / 歯性感染巣 / 口腔内感染巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄抑制を伴う抗がん剤治療等で易感染状態に陥る患者は,多種多量の抗生剤による感染管理が行われるが,抗菌剤耐性菌による感染症管理で困難を伴うことが多い。医科の治療前に歯内療法等をはじめとする口腔内感染巣の除去等,歯科治療を行うことは,febrile neutropenia(好中球減少性発熱)の減少に繋がっている可能性がある。 平成26年度に引き続き,易感染性患者を対象とした歯内療法等の歯科治療の重要性を示すエビデンスを打ち出すことを目的として,研究を進めた。がん化学療法を受ける患者を対象とした根尖性歯周炎や歯周病の口腔感染除去および管理を行った。歯性感染巣に由来するfebrile neutropeniaを証明するため,根管内細菌の培養検査および遺伝子による菌種同定,抗生剤耐性遺伝子の同定を継続した。PCRサーマルサイクラーの購入を行い効率的な研究の進展を図った。 根尖性歯周炎とfebrile neutropeniaとの関連に関する研究とともに,殺細胞性抗がん剤治療における口腔粘膜障害からの感染についても研究を行った。その結果,濃厚な抗菌剤治療を行っている患者においては口腔粘膜上細菌叢が通常の口腔内細菌叢と全く異なり,口腔粘膜障害は普段想像しない菌種の感染門戸になっていることを明らかにした。 この内容を中心に学会での発信を積極的に行い,国内発表を6回(うち招待講演3回),国際発表を3回(うち招待講演2回)行った。白血病治療学の中心的な学会の一つである造血幹細胞移植学会等,医科への学会発表を積極的に行い,議論を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り国内外への発信を行うことができた。国内発表を6回(うち招待講演3回),国際発表を3回(うち招待講演2回)行った。白血病治療学の中心的な学会の一つである造血幹細胞移植学会等,医科への学会発表を積極的に行い,議論を深めることができた。これらより概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
研究のまとめを中心に実施するとともに,まとめた結果を歯科の関連学会のみならず医科系の学会でも積極的に発信する。国際学会での発表も予定する。学会発表で得られた意見等を参考とし,論文を作成し,投稿を行い,掲載されるようにする。
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Causes of Carryover |
平成26年度に外注実験で予想以上に時間を要したため,平成27年度にPCRサーマルサイクラーの購入を行い,申請者自身が実験を行った。この結果,平成27年度の研究費の使用額が多くなったが,当初計画よりも進展があった。平成28年度に行う予定であった白血病治療学の中心的な学会の一つである造血幹細胞移植学会等,医科への学会発表を積極的に行える状態になった一方,平成27年度末までの研究費が不足したため,前倒し請求した。前倒し請求額はPCRサーマルサイクラーの購入にあたって496,800円を要したことから50万円としたが,実験の効率化で結果的に使用額は前倒し請求額には及ばず,346,289円を次年度使用額とすることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究のまとめを中心に実施するとともに,まとめた結果を歯科の関連学会のみならず医科系の学会でも積極的に発信する。国際学会での発表も予定する。学会発表で得られた意見等を参考とし,論文を作成し,投稿を行い,掲載されるようにする。生じた次年度使用額はまとめと発信を充実させるために有効に使用する。
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[Presentation] Antimicrobial Resistance2015
Author(s)
Yoshihiko SOGA
Organizer
MASCC/ISOO Continuing Education (CE) Course, MASCC/ISOO 2016 Annual Meeting
Place of Presentation
Copenhagen, Denmark
Year and Date
2015-06-27
Int'l Joint Research / Invited
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