2014 Fiscal Year Research-status Report
多機能性エピジェネティクス低分子化合物を用いた骨増成機構への多面的アプローチ
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26462915
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
秋葉 陽介 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70547512)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒストン脱アセチル化阻害酵素 / 骨再生 / 細胞誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
HDACiは遺伝子発現を後遺伝学的に制御し得る低分子化合物として抗癌剤や、抗てんかん薬、近年ではiPS細胞の効率的な作成などに応用されている。我々はHDACiの骨形成能賦活化に着目しin vivo, in vitroにおける研究を行ってきた。HDACiによる骨形成賦活化は遺伝子配列変化を伴わない比較的安全かつ、既存の成長因子等による活性化より上流における制御機構であることがその理由である。我々のin vivoにおけるHDACi全身投与実験では円筒形骨欠損修復能力の明らかな活性化がみられたが、その詳細なメカニズム解明には至っていない。さらに、in vitroにおける骨芽細胞の分化促進研究ではHDACiによる分化促進作用を認め、in vivo実験データを裏付けているが、in vivoで観察される新生骨形成促進作用を十分説明するには至っていない。本研究の目的はHDACiによる炎症制御、細胞遊走促進、骨形成促進の解明と、確実性、安全性、予知性に優れた多面的アプローチによる骨増成法開発である。従来の骨増成法は主に細胞、足場材、サイトカインを併用するもので、長期残存や汎用性など未だ多くの問題点が残されている。HDACiを用いた骨増成法は比較的安価、安全で従来の骨増成法と併用可能である。HDACiによる多面的骨形成、骨増成促進作用が証明できれば、基礎及び臨床歯科医学的意義は高い。研究の最終的な目標はインプラント治療の適応症の拡大と成功率、生存率のさらなる向上である。本年度はHDACi処理細胞を頭蓋骨欠損モデルに移植し欠損修復速度の有意な促進を観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞誘導の進捗がやや遅れているが動物実験に関して順調に進行中である
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Strategy for Future Research Activity |
標識細胞の移植実験及びGFP細胞移植等によりin vivoレベルでの細胞誘導検証を行う
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Causes of Carryover |
細胞誘導実験が当初の予想よりも難航し、問題解決のため実験が中断したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用細胞と解析用試薬の変更
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Research Products
(4 results)