2016 Fiscal Year Annual Research Report
Maternal chewing during prenatal stress ameliorates stress-induced lower bone mass in adult offspring
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26462916
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
東 華岳 産業医科大学, 医学部, 教授 (20273146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 金弥 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (00329492)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (90084780)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊娠ストレス / 咀嚼刺激 / 骨粗鬆症 / ストレスホルモン / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中のストレスにより引き起こされる新生仔の骨粗鬆症の発症に対するチューイングの効果を実験動物マウスを用いて解析した。 1. 妊娠ストレス母マウスの血中ストレスホルモン濃度は無処置の対照群に比べ、有意に上昇した。妊娠ストレス期間中にチューイング刺激を与えると、母マウスの血中ストレスホルモン濃度がストレス群に比べ有意に低下した。 2. 妊娠ストレス母マウスから生まれた仔マウスでは、1)大腿骨と腰椎の骨量、骨梁幅、骨梁数が有意に低下し、骨梁間隙が有意に増加した。2) 骨形成速度および骨形成マーカーであるオステオカルシン濃度が有意に低下した。3) TRAP陽性破骨細胞数、破骨細胞面および骨吸収マーカーであるI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx)濃度が有意に上昇した。 3. 妊娠ストレス条件下でチューイング刺激を与えた母マウスから生まれた仔マウスでは、1) 大腿骨と腰椎の骨量、骨梁幅、骨梁数が有意に上昇し、骨梁間隙が有意に低下した。2) 骨形成速度および血中オステオカルシン濃度が有意に上昇した。3) TRAP陽性破骨細胞数、破骨細胞面および血中NTx濃度が有意に低下した。 これらの結果より、妊娠中のストレスは視床下部‐下垂体‐副腎系が過剰に活動し、新生仔の骨リモデリングに悪影響を与え骨形成の抑制と骨吸収の促進により骨量が低下し骨粗鬆症に陥る。妊娠ストレス条件下でのチューイング刺激はストレス反応を緩和し、新生仔における骨形成の抑制と骨吸収の促進を改善し、妊娠期ストレス性骨粗鬆症の進行を抑制しているものと考えられる。
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