2015 Fiscal Year Research-status Report
マイクロクラックから解明するオッセオインテグレーション獲得後の骨リモデリング機構
Project/Area Number |
26462925
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森山 泰子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50452769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨細胞 / マイクロクラック / インプラント / 三次元培養 / MLO-Y4 / リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラントがオッセオインテグレーション獲得後に応力をうけたとき、インプラント周囲骨リモデリングはどのように生じているのか、殊に応力を感知する骨細胞に着目した実験をin vivo、in vitro両観点から行っている。 in vitro実験:MLO-Y4細胞の三次元ゲル包埋培養により、骨細胞間の連絡機構、三次元ネットワーク構造を再現し実験を行った。インプラント周囲骨の状態をin vitro系にて模するために、MLO-Y4細胞の三次元ゲル包埋培養系にインプラントスレッド型チタンプレートを設置し、ゲルに反復刺激を与えるシステムを確立した。チタンプレートに反復刺激を付与した時のひずみは圧縮刺激の要素が強いことが明らかになった。スレッド形態におけるMLO-Y4細胞の生死細胞の分布に特徴は認められなかったが、反復刺激により周囲骨細胞の死細胞の増加が認められた。また、アポトーシス細胞の増加も認められた。骨細胞はその特有の構造から、細胞突起間の連絡機構があることが知られている。本実験では細胞間連絡にも着目して検討した。反復刺激によりギャップジャンクション構成細胞であるコネキシン43の発現の増加も認められた。また、TRAP陽性細胞の増加も認められた。また、MLO-Y4細胞培養上清によるマウス骨髄細胞の分化を検討したところALP活性が認められた。 in vivo実験:ラット口腔内にインプラントを埋入し、8、12、16、20週間飼育し、インプラント周囲骨のマイクロクラックの産生状態および石灰化度、アポトーシス細胞の局在を検討した。インプラント周囲骨にはマイクロクラックが発生し、その量は経過時的に減少傾向にあった。しかし20週後においてはスクリュー先端より多くのマイクロクラックの発生が認められた。またインプラント周囲には多数のアポトーシス細胞が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoおよびin vitroの実験ともに当初の計画通りに進捗している。特にin vitroの実験ではインプラント周囲特有のひずみを培養系で再現し計測が進んでいる。in vivoの実験も試料の作製は順調に進んでおり解析を行う段階に来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は特にin vivoの実験を進めていく。in vitroで再現した培養系との相関も明らかにしたいと考えている。最終的なリモデリングの状況を明らかにするための検討を行っていく。研磨標本によりマイクロクラックと骨質、また凍結切片により周囲骨細胞が産生する因子を免疫学的観点より解析する。手技に関しては習得しているため計画通りに推進できると考える。
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Research Products
(1 results)