2014 Fiscal Year Research-status Report
インプラントの咬合力調節機構は天然歯とどのように違うのか?
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26462928
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 美保子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00304957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80264258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯学 / 臨床 / インプラント / 咬合力 / osseoperception |
Outline of Annual Research Achievements |
本法で用いるグルコセンサーの精度と繰り返し回数を考慮した術者内信頼性を検討し,また実際の被験者から採取した溶液を用いた場合の再現性と咀嚼能率測定値の試行間変動を検討した.1) グルコセンサーの精度と術者内信頼性;同一術者が濃度の異なるブドウ糖溶液を5種類各溶液でグルコース濃度を10回ずつ検出した.結果グルコセンサーのグルコース濃度計測値は,ブドウ糖溶液実測値から求めた回帰式,回帰係数ともに有意であった(P<0.0001) .2)被験者からの採取溶液における再現性;被験者は健常歯列者43名(47±19.2歳, 女性27名,男性16名)である.主咀嚼側でグルコース入りのグミゼリーを20秒咀嚼した後,グミを嚥下しないで吐き出させ,10mlの水でうがいさせた後,同一術者がろ過溶液を15秒間撹拌してグルコース濃度を3回ずつグルコセンサーで測定した.結果,採取溶液におけるグルコース濃度の平均値は245.3±94.6㎎/dlであり,また統計処理の結果,ICC(1,1)がP=0.984, ICC(1,3)がP=0.995であった(P<0.0001) .3)被験者の咀嚼能率測定値の試行間変動;被験者は3回来院可能な10名 (29±6.8歳, 女性5名,男性5名)で,測定方法は実験2と同様で日を変えて3試行を行った結果,検査日の異なる試行間で有意差がなかった .4)性差と年齢による比較;女性27名,男性16名の性差と,年齢構成の異なる2群間,若年者(34歳以下)16名と高齢者(60歳以上)17名の比較を行った結果,性差と年齢構成の異なる2群間において有意差がなかった. 結論として,グルコセンサーの精度と術者内信頼性は高く,1人の験者が1回測定すれば十分であると結論できた.さらに検査日の異なる試行間で差がなかったので,検査結果の再現性が示され,経時的な咀嚼能率の検査に応用可能と思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
グルコセンサーの精度,信頼度を分析する実験の追加は必要だったのだが,それを最優先させたため,患者のデータ分析がやや遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,軟らかいテクスチャーの試験食品の決定を先行する予定である.実験計画では寒天を材料としていたが,硬さを簡単に調節できる固形化補助食品に変更予定である.被験者のリクルートが難しく,有歯顎者群,上下顎臼歯部が固定式インプラント支持の補綴処置患者群,上下顎臼歯部のいずれかが天然歯列でいずれかが固定式インプラント支持の患者群の各被験者数が20人の予定であったが,少なくとも10人のデータを取るように努力する.
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Causes of Carryover |
歯科用下顎運動測定器を研究分担者と共同購入したので,26年度の物品費が予算を下回った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の試験食品の開発やT-スキャンセンサーシートに当該助成金を使用予定である.また,26年度でデータをとれなった分の人件費,謝金を27年度以降に使用予定である.
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Research Products
(2 results)