2015 Fiscal Year Research-status Report
インプラントの咬合力調節機構は天然歯とどのように違うのか?
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26462928
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 美保子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00304957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80264258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 咬合力 / インプラント / 歯根膜 / 咀嚼能率 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで本実験の咀嚼能率をグルコセンサーで測定してきたが,この検査法の妥当性を知るために,他の客観的咀嚼能力評価法との比較が必要である.よって,健常者で食塊粒度計測による咀嚼能率の評価を行った.先行実験として,単一食品の周囲のトロミレベルの変化が嚥下時の食塊粒度に及ぼす影響を健常成人で検討した.被験者は顎口腔機能に特記すべき異常のない健常者10名(31±7.1歳)で,被験食材は生人参(2g)+4段階にトロミを変化させた人参ジュース(C0-3), および生人参(2g)+バナナ(3g)(C&B)の5種を用いた.まず各被験者が各被験食材において嚥下するまでの自由咀嚼回数を2回計測し平均咀嚼回数を算出した.次にこの各咀嚼回数で咀嚼後に食塊を回収し,杉本らの方法に従い粒度解析を行った.界面活性剤による表面処理後,溶媒中に均一に食塊を分散させ,二重暗視野照明を用いたデジタル画像を撮影した.統計処理はparticle size index (SI:粒子径係数)には1way-ANOVAを, homogeneity index (HI: 粒子均一性係数)にはKruskall wallis法を用いた.被験食材C&BでSIもHIも有意に高く,またトロミが高くなるにつれてSIが高くなる傾向を示した.バナナやトロミの粘度が食塊の嚥下を助ける可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
咬合力調節の一指標として咀嚼能力検査法の妥当性の検討を先行しており,まだ咬合力についての評価が遅れている. インプラント患者症例数が少ないため,予定していた被験者数が獲得できていない.
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Strategy for Future Research Activity |
新しく購入できたMKGを用いて,顎運動軌跡と筋活動の同時記録のシステムが構築されたので,健常者被験者において,硬さが一定の食品咀嚼時の咬合力調節(ガム咀嚼)の解析を先行させる.その後,可能な範囲でインプラントの被験者を評価していく予定である.
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Causes of Carryover |
被験者数が少なくて,謝金分が繰り越しとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者数を増やし,謝金として使用する予定.また,国際学会発表の渡航費用や,論文翻訳や投稿料に使用予定.
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Research Products
(1 results)