抗糖尿病薬が2型糖尿病ラットの骨インプラント結合に与える影響の力学・組織学的分析

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 26462931
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 川本 真一郎 鹿児島大学, 学術研究院医歯学域歯学系, 客員研究員 (70295260)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西村 正宏 鹿児島大学, 学術研究院医歯学域歯学系, 教授 (00294570) ; 佐藤 友昭 鹿児島大学, 学術研究院医歯学域歯学系, 教授 (10284887) ; 薗村 貴弘 金沢医科大学, 医学部, 講師 (40347092) ; 橋口 千琴 鹿児島大学, 学術研究院医歯学域歯学系, 助教 (10596860)
• Project Period (FY): 2014-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: インプラント

Outline of Annual Research Achievements

糖尿病による高血糖は微小血管に影響を与え,好中球の機能を障害する等により，軟組織の創傷治癒の遅延・感染のリスクを引き起こす点からインプラント治療の相対禁忌症の一つに挙げられている．実際の臨床では,血糖値が改善・維持されている状態であれば非糖尿病者と等しく取り扱っているのが現状である．しかしながら，糖尿病は数ある合併症の一つとして骨代謝にも少なからず影響を与えるが，骨－インプラント結合に与える影響に関しては明らかにされておらず，治療結果にどのように影響するかという臨床的疑問は残ったままである．
また，経口糖尿病薬は高血糖を是正し，高血糖によって起こる様々な合併症の発症・進行を予防するが，骨代謝異常という側面についても十分な改善効果があるかどうかは不明である．加えて近年,治療薬自体が骨に対する直接・間接的な正負の影響を与える可能性も示唆されてきている．
本研究の目的は，糖尿病がインプラントのオッセオインテグレーションに与える影響に加えて,抗糖尿病薬の骨への影響についても着目し,実験的に検討することで治療のガイドラインに寄与するところにある．
具体的には,Ⅱ型糖尿病のモデル動物を用いて,チタンインプラントを上顎骨に埋入し,骨－インプラント結合についての生体力学的・組織形態学的検討を行うことにより,糖尿病の影響と抗糖尿病薬の効果について検討を行う．
現在,インプラントの埋入を行い,マイクロCTで埋入位置の確認を行い検討を行っている．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初臼歯抜歯時に死亡するラットが多く,また,抜歯時に歯根が途中で折れてしまう等の理由により抜歯方法の確立が難しかったため．
使用予定であった実験用インプラントの長さ・形態等の再検討を行ったため．

Strategy for Future Research Activity

次年度実施予定項目として,非脱灰研磨標本を作製し,光学顕微鏡・蛍光顕微鏡を用い,骨接触率と骨代謝状態の評価を行う.透過電子顕微鏡での観察についても検討を行う.

Causes of Carryover

実験の実施の遅れにより、実験動物や実験用インプラント,薬品等の消耗品の購入が遅れているため.

Expenditure Plan for Carryover Budget

26年度実施予定の研究実施計画のうち,未実施分に必要な経費に加え,期間内での終了の為に,必要であれば標本作製・測定の一部依頼（クレハ分析センター）も考慮予定である。