2016 Fiscal Year Annual Research Report
Tissue engineering using injectable bone substitute material with gene transfer
Project/Area Number |
26462932
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
近藤 尚知 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70343150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439)
平 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (60179398)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノハイドロキシアパタイト / 骨量 / 骨誘導因子 / 低侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯の喪失による咀嚼障害、構音障害、審美不良は、高齢者のクォリティ・オブ・ライフを著しく低下させる要因である。デンタルインプラントによる機能回復は治療効果も患者満足度も高いが、骨量の不足している場合にはその適用が困難となる。超高齢社会となった我が国では、上記問題の改善が急務となることが予想される。 本研究の目的は、ナノレベルの骨置換性バイオマテリアルによってスペースメーキングを行うとともに、骨誘導因子により骨芽細胞を直接組織中に誘導し、抜歯後喪失されていく骨量の維持あるいは失われた骨組織を短期間に、低侵襲な方法で再生することにある。 我々は、ナノハイドロキシアパタイト(nanoHAP)と合成ヒアルロン酸をある比率で混合し、架橋材を添加する事により、目的のゾル・ゲル反応を持ち合わせた材料の調整に成功している。この反応の過程ではSH基によりヒアルロン酸が不可逆的なゾル・ゲル反応を起こすため、指で持つ事が出来る程度までゲル化し、骨膜下の骨誘導スペースを確保できる可能性が高い(日本口腔インプラント学会誌2016)。また、nanoHAPに骨誘導タンパク(BMP-2)を混合することで、マウスの頭蓋骨骨膜下に骨組織が誘導されることも確認できた。 歯を喪失する者の多くが高齢者であり、種々の全身疾患を有する場合が多く、手術における侵襲が大きな問題となる。したがって、手術を回避、または極力低侵襲にする方法の開発につながる本研究の成果は、高齢者のクォリティ・オブ・ライフの改善に大きく貢献できると考えられる。
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