2014 Fiscal Year Research-status Report
少数歯欠損におけるインプラントの咬合状態の変化と被圧変位特性データとの比較
Project/Area Number |
26462934
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
内田 圭一郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (30384332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 佳奈 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (10709760)
関谷 弥千 昭和大学, 歯学部, 助教 (40611968)
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 教授 (70187251)
北川 昇 昭和大学, 歯学部, 准教授 (80177831)
今村 嘉希 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (80710186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科補綴学一般 / インプラント / 咬合 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科治療において,特に“口腔インプラント治療”は,外科的侵襲を伴う手術のリスクや咬合問題での永続性が求められる上でのリスク,また治療費が高額に及ぶ場合など,安全や安心を損なう場合が多くなり(日本口腔インプラント治療指針より),安全性が強く求められている.先般,国民生活センターから日本歯科医学会,日本口腔インプラント学会,日本補綴歯科学会,日本口腔外科学会,日本歯周病学会へ口腔インプラント治療に関する要望書が出され,またマスコミでも大きく口腔インプラント治療が取り上げられた.これらの経緯を経て,日本口腔インプラント学会では,2012年に「口腔インプラント治療指針」を策定したが,咬合に関する記述は少なく,統一的な見解は示されなかった.
いままで申請者らの研究グループは,そのエビデンスの少ないインプラントの最適な咬合を明らかにすることを目的に,咬合間隙の付与がインプラントと天然歯への荷重分配に及ぼす影響について研究を行ってきた.本研究では,下顎第一大臼歯部のインプラント治療前,終了直後,3-6カ月後よび1年後の,歯列全体における咬合の変化を,筋電計と咬合力測定フィルム(T-SCAN),新たに開発されたブルーシリコーン®を使用して咬合状態の変化を計測し,得られたデータを被圧変位特性のグラフと比較することで,少数歯欠損におけるインプラントの咬合状態の変化と被圧変位特性データとを比較し,インプラントの最適な咬合状態を明らかにすることを目的とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は大きく以下の3段階に分けて研究計画を立案している. 1.インプラント上部構造装着前・装着直後・装着後3-6 カ月・装着後1年の咬合状態のデータを採取する. 2.各時期のデータの相互的評価 3.シミュレーションから算出されたインプラントの被圧変位特性と1)から得られたデータとの比較検討.
平成26年度の研究計画の主な目的は,1.インプラント上部構造装着前・装着直後・装着後3-6 カ月・装着後1年の咬合状態のデータを採取する,ことである.被験者の条件設定として,臼歯部1歯中間欠損部のインプラント治療予定者20 名で,左右片側を1単位としてインプラント体が埋入される側の歯列とした.その他,インプラント部位以外は天然歯列で第2第臼歯まで28 本揃っており,歯周状態を定期的に担当医が管理・把握しており,矯正治療の既往がないこととした.現段階では約10名のデータを採取し,この時点での国内・海外での発表・論文を作成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2.各時期のデータの相互的評価3.シミュレーションから算出されたインプラントの被圧変位特性と1)から得られたデータとの比較検討,を順次逐行予定である.研究が予定通り進まない場合として想定されるのは,被験者数の欠落である.その場合は,出来る限り多くの被験者でデータ取りを行うために,所属研究室以外に本学歯科病院インプラントセンターにも同意を得てデータ取り(被験者の提供)に協力頂く.また,インプラントの咬合に関する研究に豊富な経験を持つ佐藤裕二が申請者の所属する研究室にいることから,常に助言が得られる体制は整えられている. また,本研究計画によるブルーシリコンによる咬合接触面積およびデンタルプレスケールによる咀嚼力評価の計測では誤差が大きいと判断される場合が考えられる.申請者らは咬合力測定用グミゼリーによる計測や,ブラックシリコーンと研究用模型を3Dスキャナ-にて取り込み,3D平面上で重ね合わせた咬合採得データをT-scanⅢ®を用いて咬合力を計測する研究も考案中である.本研究による計画が進まなかった場合はこれらの方法を試みて,多方向からのアプローチにより結果を出していきたい.
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Causes of Carryover |
研究計画に基づいて実施しているが,全段階での発表・論文を予定したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度についても途中段階での発表・論文作成を検討予定である.
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Research Products
(1 results)