2015 Fiscal Year Research-status Report
訪問介護時代を見据え軟質リライン材の使用期限を明らかにする
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26462941
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木本 統 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (10267106)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軟質リライン材 / 硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アクリル系軟質リライン材と患者因子の関係を調査したところ以下の結果を得た。 1)喫煙:喫煙喫煙者は9試験体,非喫煙者は81試験体を解析対象とした。装着1か月後の硬度は喫煙により有意に硬度が増加した (p < 0.0001)。 2)飲酒習慣 :飲酒の影響を受けた試験体は36試験体,飲酒の影響を受けなかった54試験体を解析対象とした。装着1か月後の硬度には飲酒習慣の影響は認められなかった (p = 0.92)。3)就寝時の義歯の装着 :就寝時義歯装着者の39試験体,非装着者の51試験体を解析対象とした。装着1か月後の硬度は就寝時の装着により有意に増加した (p < 0.05)。 4) 義歯洗浄剤の使用:義歯洗浄剤使用者の75試験体,非使用者の15試験体を解析対象とした。1か月適用後の硬度は義歯洗浄剤の使用者に比べ非使用者で有意に増加した (p = 0.004)。 5)下顎残存歯の有無:下顎残存歯を有する者45試験体,それ以外の者45試験体を解析対象とした。装着1か月後の硬度は下顎に残存歯を有する者において有意に増加した (p = 0.008)。 6)唾液流量 (mL/min):安静時および刺激時の唾液流量はそれぞれ0.11 ± 0.10,1.42 ± 1.05であった。安静時および刺激時の唾液流量との相関関係を分析した結果,安静時および刺激時の唾液流量と装着1か月後の硬度との間に有意な相関は認められなかった。7) 唾液pH測定:安静時および刺激時の唾液pH:安静時唾液pHと装着1か月後の硬度に負の有意な相関が認められた (p = 0.008)。8)最大咬合力 (KN):左右の平均最大咬合力と装着1か月後の硬度との間に有意な相関は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクリル系軟質リライン材とシリコーン系軟質リライン材の劣化が患者の因子に関わるか否かを研究課題としている。 今年度においてアクリル系軟質リライン材に関し、下記論文にて報告を行った。 J Prosthodont Res. 2016 Jan 6. pii: S1883-1958(15)00108-5. doi: 10.1016/j.jpor.2015.12.001. [Epub ahead of print] The influence of patient characteristics on acrylic-based resilient denture liners embedded in maxillary complete dentures.Ogawa A, Kimoto S, Saeki H, Ono M1, Furuse N1, Kawai Y.
シリコン系軟質リライン材の論文での報告のみとなっていることから、おおむね良好に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
シリコン系軟質リライン材のデータは取得済みであるため論文での報告をおこなう。
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