2014 Fiscal Year Research-status Report
新規バイオセンサを利用した口腔内における義歯の汚れの脱着の解析
Project/Area Number |
26462943
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
小正 裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10131385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小正 聡 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70632066)
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80169094)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | QCM / PMMA |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会の中で、補綴物上の汚れにより、誤嚥性肺炎、義歯性口内炎及び口角炎を引き起こしやすく、口腔内の衛生管理が必要不可欠である。しかし口腔内に使用される歯科材料は多種多様であり、それぞれに清掃条件が異なると考えられ、統一したエビデンスが少なく、特に在宅歯科診療における口腔衛生管理が最も困難である。そこで本研究では補綴装置に使用される各種歯科材料に対する口腔内の汚れの付着機構を分析し、在宅歯科診療における口腔衛生の向上に寄与する新規口腔内洗浄剤の開発を目指す。まず、義歯表面を模倣したPMMA QCMセンサの作製を行った。市販のQCMセンサ(initium社)をpiranha溶液(過酸化水素水:濃硫酸=1:3)にて5分間の表面洗浄を行った.さらに酢酸エチル溶液に溶解したPMMA(アクロンMC;GC,0.1g/ml)を遠心器(Aiden)によって3000rpmで回転中のセンサに向かって15秒間に約10μl滴下し,PMMA QCMセンサを成膜した。次に、市販のQCMセンサ(initium社)にTiをスパッタ法にてスパッタリングし、成膜を行った。それぞれのセンサ表面の観察と表面粗さの測定を走査型プローブ顕微鏡(SPM-9600)、定性分析をフーリエ赤外分光光度計(FTIR)、X線光電子分光法(XPS)にて行った。各種QCMセンサの吸着量はQCM装置(分子間相互作用定量QCM装置 AFFINIX QN μ,initium)にて、唾液性タンパク質(アルブミン及びムチン)を用いて行った。その結果から義歯表面では金やチタンと比較して、唾液性タンパク質が付着しやすいという事がセンサ上で明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定した義歯表面を模倣したPMMA QCMセンサの作製及びインプラント材料を模倣したTi QCMセンサの作製を行うことが出来、更には唾液性タンパク質の吸着具合と吸着した事の化学的な解析の結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究結果をもとに、現在成膜出来ている歯科材料以外の補綴材料を模倣したQCMセンサの作製及び現在成膜出来ているQCMセンサへの様々なタンパク質及び汚れ成分の付着と脱着について比較検討を行う。Au, PMMA, Ti QCMセンサへの唾液タンパク質の吸着については科学的な解析を終えたので、年内にはその一端を報告予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の実験計画で使用するはずの数枚のQCMセンサの費用の支払いが来年度となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
もうすでに注文済みですので、平成27年度に消費される予定です。
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