2015 Fiscal Year Research-status Report
訪問診療での使用を目的とした低膨張性レジン添加型グラスアイオノマーセメントの開発
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26462954
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
日比野 靖 明海大学, 歯学部, 准教授 (20238322)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レジン添加型グラスアイオノマーセメント / 多官能性モノマー / 機械的強さ / フッ素溶出 |
Outline of Annual Research Achievements |
PRGフィラーはフルオロボロアルミノシリケートガラスとポリカルボン酸との酸-塩基反応で生じた反応生成物であるグラスアイオノマー相を含んでいる.ガラス粒子の表層のみにグラスアイオノマー相を形成させるS-PRG技術(S-PRGフィラー)とガラス粒子全体にグラスアイオノマー相を形成させるF-PRG技術(F-PRGフィラー)に分類される.今回はこのS-PRGフィラーを含有した充填用レジン添加型グラスアイオノマーセメントを試作し,そのフッ素溶出量について検討を行った. 実験には粉末の主成分がアルミノシリケートガラス,液成分に親水性多官能性モノマーを含んだ充填用レジン添加型グラスアイオノマーセメントを用いた.このセメント粉末中にS-PRGフィラーをそれぞれ1,3,5wt%添加し,3種類の試作セメントを使用した.直径20mm,高さ2mmの円板状試料を作製し37℃の脱イオン水中(30mL) に浸漬保管した.フッ素溶出量の測定は水中浸漬1,2,3,4,5,6,7,8,9,10および14日後に行った.測定はイオン選択電極法にて行い,試料数は各5個とした. その結果,14日間を通してS-PRGフィラー5wt%含有試料は1wt%含有試料より有意に高いフッ素溶出を示した.レジン添加型グラスアイオノマーセメントにS-PRGフィラーを1 wt%から5wt%に増加させることで,14日目の累積フッ素溶出量が40%増加することが認められた.本実験条件より少量のS-PRGフィラーの添加によりフッ素溶出が増加することが認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した平成27年度の研究実施計画では,試作したレジン添加型グラスアイオノマーセメントの継時的添加の検討を行うことを予定していた.蒸留水中に4週間浸漬した検討を行ったが,サーマルサイクル試験による加速劣化試験後の機械的強さの測定に関しては当初の予定より遅れているのが現状である.それに対して,充填用への応用を考えているため,フッ素の溶出量の測定を新たに行うことを計画し,こちらの計画はおおむね順調に進行していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
試作したレジン添加型グラスアイオノマーセメントの機械的強さに加え,フッ素の溶出量についても検討を行ってきた.さらに,充填用への応用を目的としていることから牛歯を用いたせん断接着強さについて検討を行う予定である.
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Research Products
(5 results)