2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462962
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐久間 重光 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80271386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲本 京子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00469008)
有地 淑子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60232063)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳 / 高次脳機能 / 顎運動 / 機能的近赤外分光法 / 運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,fNIRS(機能的近赤外分光法)を利用した「脳機能改善のための顎運動プログラムの考案」を目的として検討を進めている. 平成28年度は,①自由ガム咀嚼運動時における前頭前野の脳活動を追加測定して運動条件の違いによる活動状況の差異について報告した.また,②運動速度が1Hzおよび2Hzの最大開閉口運動を実施した際の前頭前野における活動状況の差異についても報告した.さらに,学会発表では,ガム咀嚼運動,噛みしめ運動および開閉口運動を行わせた際の前頭前野における活動状況を検討し,噛みしめ運動,ガム咀嚼運動と開閉口運動では活動を示す脳回が前者では中前頭回を中心とするのに対して,開閉口運動では上前頭回を中心に活動することを明らかにし報学会で報告した. 血流動態の測定には,fNIRS脳機能測定装置(HITACHI; ETG-4000)およびプローブ(3×5;22チャンネル)を使用した.プローブは,前頭前野領域を対象として,プローブ下段の行が脳波測定時に利用されているT3-Fpz-T4(国際10-20システム基準点)のラインと一致するように設置して,運動を行う直前の安静時および運動時それぞれ1分間から得られたoxy-Hb量を基にoxy-Hb変化量を求め,運動により活動が認められた脳部位を統計学的に同定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,被験運動とした①ガム咀嚼運動,②噛みしめ運動,および,③開閉口運動,のうち,①運動速度が被験者任意の自由ガム咀嚼運動,②運動速度が1Hzおよび2Hzの最大開閉口運動,を実施した際の前頭前野における血流動態を測定し,論文として報告した.また,ガム咀嚼運動,噛みしめ運動および開閉口運動を行わせた際の前頭前野における活動状況を検討し,噛みしめ運動,ガム咀嚼運動と開閉口運動では活動を示す脳回が前者では中前頭回を中心とするのに対して,開閉口運動では上前頭回を中心に活動することを明らかにし報学会で報告した. また,高次脳機能がこれらの運動により向上するのか否かを検討するために,実行機能を評価することが可能なストループテストをパーソナルコンピュータ上で実施するためプログラムを構築している. したがって,現時点では予定していた実験計画がほぼ順当に達成できているものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度についても当初の計画通りに研究が遂行できるものと考えている.
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Causes of Carryover |
平成28年度は,年度末に海外での学会発表があったため,旅費の経費が予想額より少額となった。そのため,次年度使用額として約40万円繰り越すことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度において,平成28年度から繰り越した経費は平成28年度の年度末に海外での学会発表旅費および消耗品に当てる予定である.なお,研究計画を立案した当初より計上している平成29年度の経費については,申請通り使用する予定である.
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Research Products
(6 results)