2017 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織の振動刺激応答機構の解明 ー分子基盤の解析とその臨床応用ー
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26462963
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千葉 美麗 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10236820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 振動刺激 / 骨芽細胞 / 骨形成 / 周波数 / 加速度 / 血流 / 骨密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
振動刺激により歯周組織が賦活化されることが明らかになっているが、歯周組織再生における応答機構には不明な点が多い。本研究は、第一に、振動刺激により歯周組織に発現誘導される分子群とそのシグナリング機構を解明し、歯周組織改造/再生に関わる分子基盤を解明することと、第二に、臨床応用を想定し、歯周組織改造/再生をモデルとして、歯科矯正学的歯の移動のモデル動物を用い、振動刺激に対する応答機構を解析し、副作用が無い、速やかな歯周組織リモデリング機構制御法を確立することを目的とする。 本年度は、我々がこれまでに開発した新しいin vitro振動刺激装置を用いて、培養面積が広く細胞が十分に回収できる底面をもつタイプIコラーゲンコートした培養ディッシュ上にMC3T3-E1骨芽細胞様細胞を播種し、振動刺激を負荷した。刺激条件は、刺激時間、刺激間隔、周波数、加速度、細胞分化状態(播種からの日数)、細胞密度を変化させ、細胞応答性の違いを検討し、それぞれのパラメータによって生じる骨芽細胞の応答性の特徴に関する知見を得た。 生体内における振動刺激による影響を調べるために、マイクロCT解析と生体内血流変化の定量方法について、マウスの切歯と臼歯、ラットの顎骨と脛骨を用いて検討を行った。計測によるばらつきを解消すべく、さらに安定した正確な経時的な計測方法を検討中である。 今後は、既に掲載された論文に加えて、得られた成果についても、学会発表と論文作成および投稿を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の投稿、公開まで進めることができた。 また、振動刺激に対する細胞応答の重要な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、これまでの研究成果をさらに追求し推進する。特に、(1)骨芽細胞MC3T3-E1細胞を用いた細胞の振動刺激応答機構の解明、および(2)マイクロCTを用いた生体内における振動刺激による応答と影響に関しては、歯周組織リモデリング機構制御法を確立するための基礎的情報として興味深い知見が得られているので、さらに追求し推進する。また、最終年度のため、既に公開した論文に加えて、これまでに得られた成果についても、論文の作成および投稿を積極的に進める。
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Research Products
(9 results)